(戦争パロ)
拝啓 愛しい君へ
『行かない、で…』
今にも涙が零れそうな大きな瞳を揺らして君はそう言った。
何度残る事が出来たらと願ったやろか。
「ごめん」
『……く、らのす、けさん』
何度君が僕のために泣けば、君は僕の事を忘れてくれるんやろか。例えばそれを君に問えば、君はきっと僕を忘れる事はないとまた泣いてくれるんやろう。
せやけど僕はもう、君を護れなくなる。やから、ただ君には笑って欲しいんや。
「大丈夫や、いずれ戦争は終わる」
『でも…っ!』
「僕はなぁ、ただ君が笑ってくれてればそれでえぇねん」
『わた…しは、』
「短くても、僕らみたいな子供を結婚させてくれた両親に感謝しとるし、君を嫁に貰えて僕は幸せや」
『だったら!』
「……戦争やから。戦争やからしょうがないねん。皆お国のために戦うんや」
『だからって、蔵ノ介さんや皆みたいなまだ若い人を……』
「もう成人した若い人らはここにはおらんから…」
徴兵される年齢が下がっていっとる。
仕方ない、仕方ないって分かっとるけど君と離れたない。それでも、皆それに従ってんねんからしょうがないんや。
ただ願うのならば、女までもが戦わなくてはならなくなる前に戦争が終わりますようにと。
君が幸せになって笑うてくれますようにと。
「……ごめんな、…ごめん…」
『…っ』
あぁ、せやから泣かないでと。
君を泣かせる、君を置いて行く自分が憎くなるから、やから泣かんといて。
『くらの、すけ…さんくら…の、すけさん…』
……あぁ。君の唇が僕の名前を紡ぐのは後何回あるんやろう。震える小さな君を抱きしめて、そんな事を僕は思う。
今この瞬間に時が止まってしまえばえぇのに。
「……愛しとる、愛しとるから」
『蔵ノ介さん…?』
「愛しとるから、幸せになって、笑っとって」
もし、例えばそれが君の再婚やとしても、僕はそれでえぇから。
ただ、僕に君の幸せを願わせて下さい。
僕が散る時、願うことはただ1つ
君が幸せでいるようにと。
僕と言う存在が消え去るまで、僕は君を愛していました。
どうか、君は僕を忘れて幸せになってください。
君を愛した僕より
敬 具
(ドラマ東京大空襲みて突破!)