何の変哲もない普通の公立校に通っていたあたしがマンモス校の立海に転校して来たのは数ヶ月前。
そしてケタ違いの生徒数や学校に驚かされるばかりなのに、何故か全国有数の男子テニス部マネージャーにされたのは1ヶ月前位の事だっただろうか。

確かに前の学校でもマネージャーみたいにお手伝いをしていたから仕事は分かるけれど。なんで私なんだろう……って感じで。

「なまえ?」
『……え?』
「なにぼーっとしてんだよ」

ブン太に声に我に返ってみると、周りの皆も私の事を見ていた。

「なまえちゃん大丈夫?」
『え…あ、はい!全然…!』

そして今、私を惑わしてると思われる彼が幸村精市くん、立海男子テニス部部長。
今日は入院している彼のお見舞いと言う事でレギュラーの皆と病院まで来たのは良いけれど、初対面な私はさっきから緊張してばかり。
こんな女の子顔負けの綺麗な男の子が幸村くんだなんて想像もしてなかったよ。
てゆうか皆立ってるのになんで私だけベッド脇の椅子に座らせられてるの?幸村くんがすごい近いよ…!

「大丈夫?顔ちょっと赤いみたいだけど」
『ひゃっ…!』

覗き込むように私の顔を見てから、幸村くんの綺麗な手が私のおでこに触れて、それにびっくりしたのと少し冷たかったので変な声を上げてしまった。

「あ、…ごめん」
『え…あ、違うの!びっくりしただけ!』
「そう?なら良かった」

嫌われたのかと思っちゃった…そう言って優しく幸村くんは微笑んだけど、わたしは余計に顔が赤くなった様な気がした。

「でもやっぱり少し熱っぽいかな?」
『そ、うかな……』
「うん。体調管理はしっかりしないと駄目だよ?」
『はい、』

彼の綺麗な手の平が私の頭上に降りてきて、優しく撫でられる。
いま気付いたけど、心臓の鼓動もかなり早いと思う。やっぱり幸村くんの言う通り風邪っぽいのだろうか。


…いや、私はこの感覚を知っている。
これは病気だけれど、病気じゃないアレに似ている。
もしここを離れて家に帰った時、熱っぽいとか心臓の鼓動が早いだとかの症状が消えていたら、この答えは正解になる。


ああ、これが恋なのだろうか
ドキドキする感覚、それは緊張じゃなく恋の予感

(企画:恋かもしれない様提出)
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