(絶対彼氏。パロ⇒恋人アンドロイドな白石なお話)


「よろしく、彼女」

……あぁ、やってしまった。

『ちょっと!そんなに近づかないで!』
「……なんでや?」
『は、恥ずかしいからに決まってるからでしょ!』
「俺は彼女の彼氏なんに?」
『か、彼氏なんかじゃないでしょ…!』
「彼氏や…!俺は彼女の理想の彼氏になるためだけに作られたんやから」

少しだけ眉尻を下げてこっちを見つめるこの少年(の形をしたロボット)は、まさに子犬。きっとそれも大型犬の。
そんな犬みたいなキラキラした大きな目で見られるとなんだか甘やかしたくなってしまうから不思議。(…いや…、これも私が付けたオプションだったっけ…?)

どうしてこんな事になったかと言えば。
……長くなるから簡単に言うと、見栄を張ってすごく格好良い彼氏がいると言ってしまったのが根源で、そんな時に偶然彼氏(とゆうかロボット)を販売しているサイトに出会ってしまい、勢いで購入してしまったと言う訳なんです。
普段は慎重な性格のはずなのにあの時の勢いと言ったら操られていたみたいだったと思うくらいだ。

「なぁ、彼女?」
『あたしにはなまえって名前があるんですけど…』
「じゃあなまえ!」

ニコッと笑って名前を呼ばれると不覚にも心臓が反応してしまう。
(だ、だって本当に見た目はこんなに格好良い人なんているかなって位の整った顔なんだもん)

「なまえ?」
『な、何?』
「俺、名前が欲しいで」
『名前……か』
「そうや、俺名前が欲しい」
『ん〜、じゃあクラでどう?』
「クラ…?」
『そう、クラ。……嫌?』
「そないな事ないで。名前はな、最初に貰う愛情やから、なまえからの初めての愛を貰わんような事せぇへんで」

嬉しそうに笑うクラを見て、さっきまで見てた時代劇の格好良い役者さんの役の蔵ノ介から取っただなんて安直な名づけにちょっぴり後悔してしまう。

あぁ……彼、いやクラを購入した時点であたしは既にクラの虜なのかもしれない。友達にクラを見せて、お試し期間で返しちゃおうかな…なんて甘い考えは消え去り始めてる。

『でもまぁ…、最終的にどうするかは期限ぎりぎりまで悩むとして。とりあえず寝ようかな』
「ん?寝るん?」
『うん、もう時間も遅いからね』
「よし、俺の出番やな。んんーエクスタシィー!」
『……は?』

寝るって言ってるのに楽しそうに張り切るクラ。
え……、てゆうか何でこの子は脱ぎ出してるの?裸で寝るタイプ?私そんなオプション付けてないけど!?

『ね、ねぇクラ?』
「なんや?」
『なんで上半身裸でこっちに迫って来てるの…?』
「なんでって…いいことするんやろ?」
『いやいや…!しないから!』

大袈裟に慌てる私を見て、頭に?を浮かべるクラ。いや、だって、……ほら。

「俺、ちゃんとプログラムされとるからテクニックあるで?」
『そ、そんな事言われたって……!』
「じゃあ今日はやらんの?」
『今日はって言うか……うん』
「……」
『クラ…?』
「しゃあないなぁ……なまえは恥ずかしがり屋なんやな、そんなところも可愛えなぁ」

両手で顔を掴まれて、ほお擦りされた。それを頭が認識すると、私の顔は真っ赤になってしまった。心臓も破裂してしまいそう。

「なまえ顔真っ赤やで」
『う、うるさい!』
「……そんな怒った顔も可愛いで」

恥ずかしがって背を向けた私の後ろから抱きすくめられた。

「こっち見てや」
『……』
「…おやすみ」

ちゅ、と言う効果音とともに生暖かい唇がおでこに触れた。そして私から離れてベッドの脇に体育座りで充電し始めてしまったものだから、なんだかおかしくて笑ってしまった。
不覚にもちゃんとときめいたのに。
だけれど、そんな所も良いかなって思ってしまっている私はそうとう重症だと思う。

バイブル(聖書)シリーズ01
それがクラの正式な名前らしい、


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