時々、光はとてもずるいと思う。
1つ年下で後輩なはずなのにいつも私より余裕があって私ばっかり慌てたり照れたりして。子供っぽい素振りはあんまり見せてくれない。

「…ん、」
「…なんや、今日のなまえさんは積極的やな」

今日だって思い切って私からキスをしたのに、すぐに主導権は光のもの。軽いキスだったはずなのにいつの間にか舌を入れられて深いものになってしまう。

「……ん、光、」

苦しくなって強めに光の胸を押すとようやく唇を離してくれた。

「あんなガキみたいなキスで終わると思いはったん?なまえさんがその気にさせたんやで」

楽しそうに光が親指で私の唇をなぞる。羞恥心で顔が紅くなるのが分かった。

「すぐ紅うなって、ほんまなまえさんは照れ屋やな」
「だっ、て……」

恥ずかしさで光の目を見ていられなくなって、目を反らすと光の手が私の髪の毛に触れる。

「今日、体育ん時リレーで転んでたやろ」
「え?なんで知って?!」
「教室から見えた」
「恥ずかしいから……そういうのは、見つけないでよ、ね」

そんな格好悪いところ見られてただなんて思わなかった。グラウンドはクラスから見えること今度からは忘れないようにして気を付けよう。

「あとな、休み時間にお菓子持ってきとるんバレて没収されてはったんも見たで」
「え!?なななななんで…!?」
「移動教室やったんすわ」

地獄耳なるぬ地獄目か光のは……!
パクパクと何も言えずに口を震わせていると、

「なまえさん何を物欲しそうにしてはるんですか、いやらしいわー」

そう言って不敵に光は笑ってぺろっと私の唇を舐めた。

「やぁ…!?」
「むっちゃ、えろ……」

こつん、と額同士を合わせて笑う光の顔の方が艶めかしくて、えろいと思うけどなぁ。

「光、顔ちか……んっ、」


イブニングスター
余裕は装うもんやろ?

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