あたしは今、ダイアゴン横丁にいる。
たくさんの人が行き交うダイアゴン横丁。
よく知る店が並ぶけれど、あたしは初めてこの地に訪れた。
「ナマエ、迷子にならないでね」
『うん』
そう言われてママに買い物リストを渡された。このリストに書かれたものを入学式までに揃えなくてはならないのも、言われなくても知っている。
教科書の種類までは全部覚えてないけど。
なぜ、私が来たことのないこの場所を知っているかと言えば、私はこの世界の住人ではなかったからだ。記憶が正しければ、私はこの世界を描いた小説を知っていた。
ただ、それだけだった。
ハリーという誰もが知ってる有名な少年のお話。
私はその世界観が大好きで、よく読んでいた……はずだった。
なのにある日突然、気付けば知らないベッドに眠っていて。髪の色も変わっていた。
横にいるママはこの世界でのママ。
この世界で記憶喪失の少女として覚醒した私に優しく接してくれて、何でも教えてくれる。
『ねぇ、ママ』
「なぁに?」
『ママはハリー・ポッターって知ってる?』
「もちろん!」
『ハリーは今年入学する?』
「え、入学? う〜ん……確か年頃は近かった気もするけど、噂とかは聞いたことないわ」
『……そっか』
記憶喪失ということで、何も知らなくても両親は驚かないし、知ってること口走っても思い出したの?と嬉しそうにされるから、自分で言うのもなんだけど上手いこと順応してると思う。
ハリー・ポッター。私はこの世界を彼を中心としてしか知らないから、どの辺りの時代にいるのかも彼がいなければ分からない。
だけど世間はハリーを知っていて、まだ入学していないということは、第1巻が近いんだと思う。
同級生だったら分かりやすいし良いけど、そんなに都合良くは行かないかな。
「ナマエ?ぼーっとして大丈夫?気分悪い?」
『え?あ、ううん、大丈夫!』
こっちの世界に来てから幾分縮んだ身長で見上げれば、ママは心配そうな顔をして頭を優しく撫でてくれた。
ママは、似ていないのに日本にいた頃のお母さんとよく被る。だから、この人をママと呼ぶのに慣れるのには時間はかからなかった。
「ねぇ、君も今年のホグワーツ新入生?」
『え?』
呼び掛けられ振り向けば、そこには燃えるような赤毛、そして顔が瓜二つの少年が立っていた。
『……あ、あ、』
「「何?」」
驚く私を不思議そうに見つめる彼らはきっと、
『フレッドとジョージ!?』
「君と俺達、何処かで」
「出会ったことあった?」
そう言って2人は顔を見合わせて、隣のママも驚いてたように私を見つめた。
あたしが訪れた世界は、大好きな2人の世界でした
綺跡の魔法1
たくさんの人が行き交うダイアゴン横丁。
よく知る店が並ぶけれど、あたしは初めてこの地に訪れた。
「ナマエ、迷子にならないでね」
『うん』
そう言われてママに買い物リストを渡された。このリストに書かれたものを入学式までに揃えなくてはならないのも、言われなくても知っている。
教科書の種類までは全部覚えてないけど。
なぜ、私が来たことのないこの場所を知っているかと言えば、私はこの世界の住人ではなかったからだ。記憶が正しければ、私はこの世界を描いた小説を知っていた。
ただ、それだけだった。
ハリーという誰もが知ってる有名な少年のお話。
私はその世界観が大好きで、よく読んでいた……はずだった。
なのにある日突然、気付けば知らないベッドに眠っていて。髪の色も変わっていた。
横にいるママはこの世界でのママ。
この世界で記憶喪失の少女として覚醒した私に優しく接してくれて、何でも教えてくれる。
『ねぇ、ママ』
「なぁに?」
『ママはハリー・ポッターって知ってる?』
「もちろん!」
『ハリーは今年入学する?』
「え、入学? う〜ん……確か年頃は近かった気もするけど、噂とかは聞いたことないわ」
『……そっか』
記憶喪失ということで、何も知らなくても両親は驚かないし、知ってること口走っても思い出したの?と嬉しそうにされるから、自分で言うのもなんだけど上手いこと順応してると思う。
ハリー・ポッター。私はこの世界を彼を中心としてしか知らないから、どの辺りの時代にいるのかも彼がいなければ分からない。
だけど世間はハリーを知っていて、まだ入学していないということは、第1巻が近いんだと思う。
同級生だったら分かりやすいし良いけど、そんなに都合良くは行かないかな。
「ナマエ?ぼーっとして大丈夫?気分悪い?」
『え?あ、ううん、大丈夫!』
こっちの世界に来てから幾分縮んだ身長で見上げれば、ママは心配そうな顔をして頭を優しく撫でてくれた。
ママは、似ていないのに日本にいた頃のお母さんとよく被る。だから、この人をママと呼ぶのに慣れるのには時間はかからなかった。
「ねぇ、君も今年のホグワーツ新入生?」
『え?』
呼び掛けられ振り向けば、そこには燃えるような赤毛、そして顔が瓜二つの少年が立っていた。
『……あ、あ、』
「「何?」」
驚く私を不思議そうに見つめる彼らはきっと、
『フレッドとジョージ!?』
「君と俺達、何処かで」
「出会ったことあった?」
そう言って2人は顔を見合わせて、隣のママも驚いてたように私を見つめた。
あたしが訪れた世界は、大好きな2人の世界でした