痛い痛い痛い!



『痛い…』
ただでさえじんじんと痛むのに、擦り傷だらけになった自分の腕や足を見るだけで、さらに痛みが増したように感じる。

なぜ、こんなに傷だらけになってるかと言うと……絶望的に飛べないからだったりする。自分がこんなにほうきで飛ぶのが下手くそだなんて思わなかったよ!
クィディッチの選手には絶対なれないことは分かったから、追試にならない程度に飛べるようになりなさいよね、私!

……とりあえず今日のところはここまでにして、ほうきを持って寮に戻ろう。
とぼとぼと、談話室まで行くとアンジェリーナが私に気付いてくれた。

「ナマエ?あー、また生傷増やして…手当てしてあげるからおいで」
『うっ……ありがとうアンジェリーナ』

ちょっと呆れたように言うアンジェリーナの元へ小走りする。アンジェリーナは、なんと私と同室で、気さくな彼女のおかげですぐに仲良くなれた。大人っぽくて優しい彼女は同い年のはずなのにお姉さんみたいで。本来の年齢を考えれば、精神年齢だって私の方が高いはずなのに、私の方が子供っぽい。
……アンジェリーナ、いつか私はアンジェリーナに嫉妬しちゃうときが来ちゃうのかな。

「はい、おしまい!練習するのも良いけどもっと気をつけなきゃダメよ」
『気をつけてるつもりだけど、私がこんなにもバランス感覚がないだなんて、思いもしなかったよ』

溜め息を一つ吐けば、彼女は目を細めて笑って私の頭を撫でる。

「なに言ってるのよ、飛行訓練だってまだ始まったばかりなんだから大丈夫よ」
『アンジェリーナって同じ歳なのにお姉ちゃんみたいね、』

思わず声に出して言ってしまうと、彼女は少し照れたように笑ってそんなことないわよ、と否定した。可愛いなぁ……、ぼんやり眺めていると後ろから二重奏の声に呼ばれる。

「「しかしそれではクィディッチの選手にはなれないよおチビちゃん」」
『フレッド、ジョージ!』
「せっかくだからナマエにも選手になって欲しかったけど」
「それは無理かもしれないね」
『う、……でも二人だって選手になったわけでもないのになるような口ぶりだね?』

もちろん、これから2人がビーターになることは知っているけれど、今の時点ではまだのはず。

「我々は必ず」
「「選手になるよ」」
「近いうちにね」

そうなるとは言えすごい自信だわ……さすが。
……私はクィディッチの選手にはならなくても、いや、なれなくてもしょうがない。
けど、私にとって重要なのは来たる時に、足手まといになりたくないということ。

「ナマエ?」
『あ、ごめんジョージ…何でもないよ』
「!」
「ナマエ俺達のこと見分けられるのか…?」
『え?……え!あれ、なんで?』

だって今、ジョージっぽいなぁなんて思って…、何も考えずにジョージって言ったけど……

「「わお!びっくりだね」」
「箒の才能はないけど」
「こっちの才能はあるかもね」

まさかまさか!私見分けられるようになった!?なったの?!

早くも目標達成かも?

「俺は…?」
『……フレッド!』
「残念…ジョージだよ」
『…あれ?』
「「…」」

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