07

俺は流暢に話すとか出来ないし、口下手だ。だけど、やっぱり気になって。手嶋に言われてから、俺も探すようになって。こういう時、どうすればスマートなのか分からねぇけど。ただ、もっと話してみたくて。そもそも、俺を見に来てるだなんて本当なのか、そこからだけどヨ……。

「あ、あの!迷惑ならやめますから!」
「……は?」
「あ、あ、あの!……見てるの、気持ち悪い、かな……」
「…………」
「あの、巻島くん…?」
「見てるって、俺を?」
「……うん」

何を言い出すかと思ったら、迷惑かな、と顔を赤くして気まずそうに、笑った。こういう時どう言ってやれば良い訳?……あー、もう。

「迷惑じゃないっショ」
「え…?」
「迷惑じゃないって言ったんだよ」
「本当に?」
「……ただ。もっと分かりやすくしろヨ」

……なんだこれ。だんだん自分の顔が熱くなっていく。これ以上は無理だ、そう思ってそのまま踵を翻して階段を降りた。……これが、いわゆる恋ってやつか。どうしようもない病気っショ。

翻す髪

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