兄貴は承太郎に頼られたい


『ハロー、俺俺、俺だけど』

「なんだ、兄貴か」

『お前毎回『なんだ』って言いやがんな。せっかく日本が夜になった頃を見計らって電話したんだぞ。…まぁいい。丁度お前に話があって電話したんだ』

「話?」

『ちょっと小耳にはさんだんだが、お前がアメリカの大学に来るっての、あれマジか』

「ああ。マジだぜ(お袋から漏れたか…)」

『そうか…。あー、なんだ。アメリカ暮らしの先輩として…そうだ。拳銃の撃ち方でも教えてやろうか?』

「いらねえよ」

『こっちじゃ一般人でもそこそこ持ってるんだぞ』

「おれのスタープラチナは拳銃の弾丸くらいなら指で止められるし、なんならその辺の石ころでも拳銃並みの威力で弾き出せる」

『お、おう…なるほどな。そりゃあいらねーわな…。あ、じゃあ、あれだ。いきなり異国で一人暮らしってのも大変だろうし、ヘルパー紹介してやろうか。信頼のおけるうえにかわいー子がいるとこ知ってるぜ』

「いらねえ。テメーの生活くらいなんとかできねえでどうする」

『お前ってやつは…兄の好意をことごとく無下にしやがって…』

「…そんなに言うなら、一つ頼みてえことがあるんだが…」

『…なんだよ、一応聞いてやらんでもない』

「引っ越すのはまだ少し先になるが、できればおれが通う大学の近くでいい物件がねえか紹介しちゃあくれねえか。…適当に探すよか、兄貴に任せる方が確実だろ」

『当然だ。よし、この俺がいくつか物件ピックアップしてやるから、またなんか希望があったら言えよ』

「ああ、助かる。頼んだぜ」

『おう、兄ちゃんに任しとけ!』

「(まったく…どいつもこいつも過保護ばかりだな…)」




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