ジョセフが起きるまでの時間


◇名前変換なし。


カーテンの隙間から差し込む朝日に意識が浮上してくると、途端に身体へかかる重みが気になってくる。
布団の中で身体を捩ってみるけれど、その重みは一向に外れない。
こうなると、もう再び夢の中へ落ちることは難しい。

「んー…ジョセフ、おもいよ〜…」

大きな身体を丸め、その長い手足でわたしを抱き枕のように抱きしめる様を第三者的な視点で想像すれば、アンマッチ故にかわいらしいと感じる。
…けれど、それはそれ。これはこれ、というか。眠っている彼の腕と脚が絡みついているだけで、これが結構重いのだ。
目の前にある厚い胸板をぺちぺち叩いてみるけれど、ぐっすり眠っているジョセフは気持ちよさそうな顔のまま。

「…かわいい顔しちゃってまぁ…こいつめ」

更に身を捩り抜け出した右腕を持ち上げ、ジョセフの頬を指でぐりぐりしてみる。
柔らかさなんてほとんどなくて、正直つまらなかった。…なんて、本人に言ったら唇を尖らせてぶーぶー言うんだろう。

「ちょっとォ〜、人のほっぺた触っておいて、つまんなかったはねーんじゃねぇの?」
…とか言ってね。

ジョセフはわたしと話をする時、ちょくちょく身を屈めて視線を合わせてくれたりする。
かなりの高身長である彼がそうして気遣ってくれるおかげで、身長差による言い知れぬ寂しさとか不安とか…そんなものに苛まれたことはない。

それでも、こんな風に至近距離でじっくり眺める機会は少ない。

いつものころころ変わる表情がないのは残念だけれど、逆に、こんな無防備な…子供みたいな寝顔を見られるのはわたしだけ。

一人で寝ている時は結構寝相が悪いのに、こうして二人で寝ている時はすごく大人しいことも。
この身体の温もりも。
知ることができたのは。感じることができるのは。
今は、わたしだけの特権だ。

「よいしょ…っと」

腕一本抜け出せれば、起き上がることは容易だ。
上体を起こし、軽く伸びをする。

「さぁジョセフ、起きて。朝ですよ〜」

少し癖のある髪を撫でて声をかける。
あと数秒か、数十秒か。
その瞼が持ち上がるまで、この優越感にもうちょっとだけ浸っていたい。




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