承太郎と一人暮らしの子


「おお…電球交換するのに踏み台すら要らないなんて…もうなんというか、感動だね」

「まぁ、特別天井が高ぇ造りでなけりゃこれくらいはな。…ほらよ、新しいの寄越しな」

「はい、これ新しいの。…送ってもらったうえに電球まで換えてもらっちゃってごめんね。ほんと助かるよ。ありがとう、承太郎」

「物のついでだ。大したことじゃねぇよ。…しかし、さっき聞いた話じゃあ脚立もねぇんだろ。普段はどうしてんだ」

「普段はね、デスク用の椅子の高さをいっぱいに伸ばして、そこに乗って交換してるの」

「…あの椅子か?」

「そう。あれがねー、クルクル回るやつだから結構怖いんだよね」

「おいおい…」

「で、最悪夜に電球切れた時なんかは口にちっちゃい懐中電灯咥えて交換したりしてね。ふふっ、電球交換ひとつでも結構大変なんだぁ」

「笑えねぇぜ。お前、どんだけ命かけてやってんだ」

「大袈裟だよ〜。わたしにとってはよくあることだもん」

「なまえ、そういう危ねーことは二度とやるな」

「やるなと言われましても」

「…必要ならおれを呼べ」

「えっ!こんなこと毎度承太郎にお願いするなんてできないよ」

「おれが呼べと言ってんだ。構うこたぁねぇよ」

「でも…、」

「おれの知らねぇとこで怪我されるよか数倍マシだ。いいか、分かったな?」

「…う、…はい。分かったよ、承太郎。困った時は承太郎にお願いします」

「よし。…じゃあここに今日の日付と氏名を書いてもらおうか」

「め、めちゃくちゃキッチリしてくる…!」



脚立買いにいけばよかろうなのだ。




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