仗助くんが風邪をひいたらしい
「仗助くん、学校のプリント持って来たよ〜」
「あ゛―、悪ィな…そこ置いといてくれ…」
「うん。じゃあ机の上に置いとくね。…仗助くん、まだ全然治りそうにない?明日もムリそう?」
「いや、んなことねーよ。明日は多分学校にも行くし…」
「そうなの?さっきからずーっとすっぽり布団被っちゃってるから、相当辛いのかと思ったんだけれど…」
「…当たり前だけどよォ、今おれ、髪固めてねえんだよ。だからなんつーか、気持ちもビシッとしねえっつーか…とにかくすげー情けねーから、あんまし見られたくねえんだよ…」
「ふぅん…。でもな〜、プリントなんていうそれらしい口実まで作って来たわたしとしては、一目だけでも仗助くんの顔、見たいんだけどなぁ〜」
「…〜っおれだってなまえの顔、見てぇけどよぉ〜…」
「そうなの?へへっ、嬉しいな。…ね、仗助くん。さっき、気持ちがビシッとしなくて情けないって言ってたけどさ…それならいっそ、甘えてみたらいいんじゃあないかな」
「…はぁ?おめー何言って、」スッ
「ふふっ、やっと顔見れた」
「ばっ、ちかッ!?おま、なんつー至近距離にいんだよ…?!」
「へへへー!布団にもぐってたから距離感わかんなかったでしょ。わたしの作戦勝ちだねっ」
「…なんだよ、それ〜…」
「…、」
「なまえ?…あんまじーっと見ないでほしーんスけど…」
「ああ、ごめんごめん。髪下ろしてるの初めて見たからさ。ちょっと見惚れてた」
「み、みとれてた…?!」
「うん。その髪型もすごく好き。全然情けなくなんかないよ」
「…そ、っスか…」
「あ、なんか熱上がってきてない?ごめんね、ムリさせちゃったかな」
「い、いや、大丈夫!大丈夫だからよォ、また…明日な」
「うん。まぁ、ムリはしないでね。明日も休んだら、またプリント持って来るから」
「おう、さんきゅ…」
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