2023/03/19
食べるスピードが遅くて友達や彼氏に気を遣う女の子と治が付き合う話。彼氏とはいろんな理由で別れるんだけど、最後の最後に自分が一番気にしている食べるのが遅い的なことを言われて別れたため、それから余計に誰かと食事をするのが怖くなって本当に仲良い友達としか一緒に食べなくなった。
それでもご飯に誘われて行くことになったら、遅いことを最初に伝えるんだけど、ゆっくりで良いって言ってくれる人もそんなこと気にしてんのって言う人もいて。自分でも気にしすぎなんだって思いつつもどうすることも出来ないでいたら、合コンに誘われ、そこに高身長イケメンがいて、数日後その人から連絡が来てご飯行くことになる。だけど、約束の日が近づくにつれて憂鬱になるし、やめようかなって最悪な考えに至って、でも気持ちを入れ直し、いざ食事にいけば今まであった人の中で一番食べるの早いし、一口が大きいしで、自分の遅さを気にする暇もなく驚いてしまう。それに食べる量も半端ない。早く食べようとしている感じはないし、ちゃんと会話をしているのに気づけばお皿の上は綺麗に何もなくなっているから、マジック?胃袋どうなってるの?ってびっくりしていつもの倍食べるスピードが遅くなる。なのに、こっちが食べ終わるまで全然嫌な雰囲気も出さないし、話を振ってくれたり、追加でなにか頼んだり、幸せそうに食べる姿に久々に異性との食事が楽しくて時間があっという間に過ぎた。一番驚いたのは相手を待たせてる感が全然なかったことで。またご飯行きたいなって思っちゃうくらい。
でも向こうは段々嫌になってくるかもって、もしかしたら既に嫌になってるかもしれないと思って自分からは誘えないんだけど、二回目のお誘いがすぐ来るし、三回目、四回目って何度も誘ってくれて五回目で告白されて付き合うことになって。付き合ってから言うのも、今更感があって食べるスピードのことを言うタイミングを逃し続け付き合ってしばらく経った時。元カレと別れる時の夢を見た日の治くんとの食事で「食べるの遅くてごめんね」って伝えたら、口に運んでいた手を止めて、食べるため開けた大きな口をそのままにしてこっちを上目遣いで見てきた治くんはきょとんと数回瞬きして「食べんの遅い……?」って本気で気づいていないことに今度はこっちがきょとんとしてしまう。
沈黙が流れてから向こうが思い出したかのように「確かにちょびっとゆっくりかもしれへんけど」て言った後に「その分ナマエちゃんの食べとるとこ見れるからなぁ。遅いって思たことないで?」たくさん見れて得やなぁって歯を見せて笑うからこの人と付き合うことが出来て幸せだって涙が出てきた。
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