登校班
久しぶりに鉄朗と研磨と三人で飲みに行った。いつもなら研磨の家で飲む方が多いのだけれど、今日は珍しくお店に来ていた。
そして、ほろ酔いくらいの状態で居酒屋を出た私達は今、外を歩いている。
「ねえ〜、三人で縦に並んで帰ろうよ」
「どーいうこと?」
「小学生の時の集団登校みたいにしたいんじゃない?」
「ああ、そういう」
今日の朝、小学生達が一列に並んで歩いているのを見て懐かしさで頬が緩んだ。私達もああいう時があったなって。だから、お酒を入れて気分が良くなっている今、そんな提案をした。
「また急だな」という鉄朗に「今日の朝小学生が並んで歩いてるの見たんだって」と研磨が説明すると「あー」と納得してくれた。
「鉄朗、研磨、私の順ね」
「はいはい」
「この順で登校してたから!覚えてるでしょ?」
「そうだっけ」
鉄朗は覚えているようで、研磨は曖昧みたい。鉄朗と研磨の間には下の学年の子達がいたけど、まあそこは置いといて。六年生である鉄朗と私が班長と副班長。班長が先頭を歩き、副班長が最後尾、私の前を歩いていたのが五年生の研磨だった。
「私達ももうこんな歳だねぇ」
あの頃は自分より小さかったはずの研磨の背が今はずっと高い。寒そうにポケットに入れた手を出してもらいたくて、後ろから服を引っ張れば、こっちを見ることなく手を私の方へ伸ばしてくれた。それが嬉しくて思い切りギュッと握る。
小学生の時の私は数年後研磨が自分の彼氏になってるなんて想像もしてなかっただろう。ふふっ、と声に零れてしまえば、班長から「後ろでいちゃつかないでくださーい」と言われた。