好きだと気づいた瞬間、失恋した




爆豪と幼馴染。
小さい頃から女の子と一緒にいようとしない爆豪の側に唯一いる女の子で、お互い気があうので一緒にいることが多かった。
そのせいか自分以外の女の子が隣にいることが想像すらつかなかったし、性格の悪さとオールマイトを超えるトップヒーローになるという気持ちから彼女ができるというという考えも至らなかった。それは自分が爆豪の彼女になるという考えも1ミリたりともない。
恋愛感情としてじゃなく、幼馴染としてこの関係が続くと思っていた。

個性が強いわけじゃないから、雄英のサポート科に入学。そこから会えない時間が続いて寂しいな、なんて思ってしまう。
体育祭、文化祭やたまに見かける爆豪の姿を見て、中学までとは違う成長した幼馴染に遠くにいってしまったような感覚になる。寮生活になって、話すどころか見かけることもなくなったある日。
幼馴染のとなりには違う人がいた。その子をみる幼馴染の目はわたしに向けられたことはない。

そこはわたしの場所だった。
心の奥からドロっとした感情が流れた時、初めて幼馴染に抱いていたこの感情は恋なのだと気がついた。その時にはもう遅い。

わたしのことをあだ名で呼ばないけど、名前でもあまり呼んでくれない。いつも、おいとかてめぇと言うけど、たまに名前を呼んでくれるのが嬉しかったりした。そんな幼馴染の好きなところがたくさん出てくることに、馬鹿みたいと何回もおもう。

あの子と、
同じ学校。
同じ年齢。
同じ苗字。
わたしと何が違うの。

ああ。そっか

「あの子は可愛い…癒し系。わたしとは正反対だ」



















「おめでとう。出久、勝己」


出久には勝てないとため息をつく。

「ねえ!お願い!!それ以上なにも喋らないで!!か、かっちゃんが…かっちゃんが怒りで声も出せていないから!…お姉ちゃん!!」


「殺す」



緑谷出久の双子の姉。
最近、かっちゃんが出久に対する態度が変わって戸惑いと嬉しさと混乱、2人が仮眠室から出てくる姿を見て、付き合ってんのかとあり得ない考えにたどり着いた。



「てッッッめェェェェ!!人の寮まできて殺意湧いてくるようなこと言ってんじゃねぇぇよ!!クソが!!死ね!!!!」



個性:人、物あらゆるものを引きつけることができる。大きさ、重さに限度はないが1つずつしか引きつけられない。母親から受け継いだ個性

いつもだらだら、やる気がない。個性を使って1日動かない時もある。真面目、やる気、努力などは全て出久に持っていかれた。



19.11.30