雨の降る街の中で僕は一人、傘を刺さずに街を歩いていく。

「あぁ、びしょびしょやな」

ジャケットの胸ポケットから煙草を取り出して口に咥える。ライターで火をつけようと思ってもこんな雨では消えてしまうなと思いながら咥えていた煙草を指で挟み吸おうとする。だけども気分が乗らずにただ、今の僕の気持ちはこの空と同じだ。

あの日から何日経つのだろうか。あの日から何時間、いや何十時間、何百時間も経ってるんやろうな。
まぁ、こうなってしまったのは僕のせいである。だから、聖杯戦争に参加する前に死ぬのもまた、一興なのかもしれへんな

___願い事叶えたかったな

「馬鹿らしいな、ほんま、なんでこんな事を思ってしまうやろうか。」

震える手を見ながら地面に座り込んでは一つ、タバコを吸い、空に消えていく煙を見ながら「俺も、こうなるんかな」なんてハハッと笑ってみせる。雨の降る街で流れていく人々を見ながら「平和になったもんやな」なんて零してしまう。

僕にとって今の自分はなんやろうか

「あー死にたくないな」

なんて言いながら俯いているといきなり、雨が止んだのか冷たい空の涙はひとつも当たらず僕は顔を上げると心配そうに女の子がこちら覗いている

「お兄ちゃん、大丈夫」

女の子は僕を心配そうに見る。首を傾けては聞いてくる、その女の子は懐かしさを感じてしまう。

「おーいお兄ちゃん」

と空いてる手を振りながら「おーい」なんて聞いてくる。

「大丈夫やで。そんな、心配そうな目で見なくても大丈夫やで」
「それなら良かった。カゼひいたらダメだから着いてきて。」

そのつぶらな瞳で女の子は僕を見る。僕はそんな、瞳をみて断ることも出来なく僕は女の子に着いて行く。




2/2

オオサカ聖杯戦争
カフネの倉庫
トップページへ