ヒドロビウスの遺灰

▽2019/03/08(09:52)

「いまでは月の土地が買えるらしいな」と驚くカマンガーについ買う?って聞いてしまう春菊の話。すぐに冷笑しようとしたけど彼の顔がぱっと輝いて、仕方なくそれらしい書類に記入した。彼はタテハ名義にしようと素直に喜んでいる「いたく静かで、誰にも邪魔はされないだろう。なあ、いつか月であわないか」
本当は春菊は春菊の名前をいれていなかった。刻まれているのはアーラシュカマンガーそのひとの名前で、思い出ほしさについた嘘は、良くも悪くも春菊の胸を焼く。彼がいなくなった世界、ひとりで歩かざるを得なくなった春菊の静かな部屋には、アーラシュの名前が書かれた月の権利書が置かれている。
「いつか月に住もう」月の権利書とifラシュ春。薄波のいない彼女の生家に届いたそれを静かに抱き留めて「海水と波打ち際には見つからなかったが、星を越えた先、あの月面では1エーカーの土地を見つけたんだぜ。ほら、あんたの名前が書いてある。それでも俺達は、恋人にもなれなかったのか」と囁いた。
(フランス武勲詩の「地上で失われた全てのものが月に存在している」という記述とスカボローフェアの「1エーカーの土地を見つけるようにいって。海水と波打ち際の間に。そうしたら彼は私の恋人」=奇跡が起きなければ恋人ににはなれないという歌詞がたいへんすきなので込めれたらいいなあと思いました)

月の権利書


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