連なる濃紫の恋心
脳裏にちらつく宵の暮れ
恋に酔うとか酔わないとか
いつでも迎え入れる準備は出来ております
催す宴はお披露目の誓い
常にお傍にいさせて下さい
白藤の君とは貴方のことよ

色めきたつ春うらら
はにかむ乙女は塩らしい
ちらり、ちらりと散りゆく花菱
心に隠したい戸惑い
臆病な花曇りから
きっと早すぎたのね、とつぶやく吐息
杏子色の花束を

牡丹

財をなげうつ微笑みを
人見知るのもまた一興
眠れる花王様へ
一目惚れした色仕掛け
それは真心だったのか
枯れた寵愛は戻らず、無残な艶姿を晒すこと
夢にみた牡丹の儚さ

春告鳥がなく頃
匂い立つ気品をみて
誰にも汚せはしないはず
疑惑に塗れたかの名前
忘れてしまったあの気持ち
耐え忍ぶ、それが貴方のためならば
決して消えない梅の残り香

噂話に首ったけ
譲る気持ちは1ミリも
折り紙付きの気立ての良さを
その振る舞い、天下無敵
桃に夜染まりした微笑み
花監獄からは抜け出せない
ただ桃花は恋焦がれるだけ

金魚草

予知夢をみました
知りたくなかった未来のあなた
予言の言葉を授けた凶日
無垢な魂の持ち主へ宛てた文
おしゃべりな月夜鳥のご乱心
だから言ったでしょう、
未来など知らぬほうがいいのだと。
金魚草が鳴きました

月桂樹

頭上に輝く名誉の冠
見果てぬ栄光の道しるべ
万事に連なる勝利の微笑み
すべてを君に与えましょう
だから想いを受け取って
拒む乙女は木へとなりました
月桂樹が見せる世界

花菖蒲

あなたをただ信じます
わたしの花を守ってください
一喜一憂したい吉報を
閉じ込められたい心から
二番目でいいから愛してほしいの
最期はきっとそばにいて
折れぬ花菖蒲の剣

鈴蘭

幸せだね、きっと、きっと
玲瓏な獄に鎮座してよ
気づかぬ狂気に触れさせて
涙を潤ます月白の純潔
捨てきれなかった幸せの望み
だって恋してしまったから
鈴蘭の甘い独白
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