「外れ道」

びいどろの中で泳ぐ金魚と似たモノ

真綿に包む隠された宝物
着せ替え人形のようなお利口さん
満月さえも霞ませて
艶やかな紅唇から漏れる吐息は
華やかな才に溢れかえった詩人のよう
南天を真似た紅の玉簪
朧月が透けゆく白檀扇
番傘に白桜の花びらを
そんな小さい箱庭で生きた純粋無垢な少女たち
無邪気にお面をかぶる単純な人生

その人は…
呼吸が止まりそうな息苦しさを運んできた
ふと触れ合った指先が気まずくて
身体が火照ってしまう理由を教えて欲しい

すべてを宵闇に放り投げて
指折り数えた心待ちのあの日から
誰を敵に回しても握りしめたかったものとは
落ちて砕けてしまったびいどろに眠る
金魚と同じ未来しか描けなくとも
絡み合ってどろどろになるまで傍にいさせてよ

夜が白んだ雪明かりに縋って
繋がっていた小指はいつか切り離される
喪失感を知りたくはないから
ぐちゃぐちゃになる前にお伝えします
失えばもう抜け殻しか残らないことを