月夜の影

お月さまが欲しいのかい?

まんまる満月への憧れ
つかめなかった光の道
縮まらない距離と焦燥
無駄なふてくされ感情
唯一手に入らなかった宝箱
ねぇ、あのお月様をちょうだい

月の姫様の無理難題
てんてこ舞いの踊り狂い
盲目の治療方法を探せよ
欲するのはただ一人のみ
籠絡するつもりなんて微塵も
私を愛してるのならできるはずよ

理解不能な雫の理由
月詠の旅人と恋煩い
淡い光の欠片を掬って
張り裂けそうな愛を刻む
口先だけの番人と嘘っぱち
水晶のような湖面に弓月は浮かぶ

すれ違いの記憶に眠る
破られない約束を胸に
月夜烏の噂話は本当さ
傾国の姫の願望は国に沈んだ
寝静まった朝に迎えに来てよ

新月に祈りはしない
月に恋したようだった
朔が隠した本音を暴け
波しぶきは月白に燦めいた
花顔に浮かんだ叫びは永遠に
月涙に迫る水の音は鳴り止まず

人影と月光の船
運命は火をも焦す
二胡の音と天人の舞
濁ったこの世に悔いはなし
光る竹のお話は永遠に紡がれるのだ

目をつむってお月さまに祈った願い事は、美しい物語の一幕として永遠に語り継がれるに違いない。
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