5

やわらかくて湿ったタオルの感触が胸元に触れる。


「熱くない?」


思ってたよりタオルが温かくて、一瞬安心して身体から力を抜けた。


「…うん。ありがと……ごめん…」


ふーっと息を吐いて、笑って首を横に振る蒼に任せることにする。
友達に身体を拭いてもらう自分。
絶対にこれ、熱が治ったら羞恥心で家から出られなくなりそうだななんて考えて。

…今はまだ熱で頭がぼーっとしてるせいで、そこまで気にならなかった。

最初は誰かに身体を拭かれるということ自体に緊張して身体に力が入っていたけど、次第にタオルが汗の滲んだ身体に心地よくて、リラックスしてくる。


「ん…っ」

元々くすぐったがりなだけあって、それが脇腹に触れるときとか。
首筋に触れるときとか。
声を出さないように意識してたけど。

それが乳首に触れて…あれ…変な触り方だななんて思いながらも何も言わずにいると、…その場所をいきなりぐりっと強く擦られて、その瞬間なんか変な声が漏れた。
…わざとやったらしくおれの反応を見て楽しそうに笑った蒼に、恥ずかしくなって既に熱い顔がさらに熱くなったような気がした。
そして上半身が終わって、パジャマを着せてくれて、新しいタオルで顔も拭いてくれる。

タオルが顔に当たった瞬間、「わぷっ」と声が漏れてそれに対して蒼が笑った。

その感触がふわふわして温かかくて気もち良くて、瞼が重くなってきた時。
ふいに脚がひんやりと寒くなる。
そっちを見ると下に履いていたズボンが脱がされたことに気づいて「ぇ…っ」と思わず声がでた。


「ぇ…っ、ぁ…っ」


さすがに下はまずい。
うろたえて、一瞬あっけに取られているうちに、下着に手をかけられておろされた。


「ま…っ、…わっ」

身体を起こそうにも、下着を膝から下に持っていかれると同時に無理矢理足が上に上がって頭から布団に落ちた。

薄い布団のせいで、いくら頭が布団の上に倒れたといっても、ガツっと変な音がして一瞬目の前が真っ暗になった。

(…痛――っ)

頭を手でおさえる。
熱でただえでさえ意識が朦朧としてるのに、さっきから悪化の一途をたどっているような気がする。
蒼は多分一生懸命おれのためにやろうとしてくれてるんだろうけど。
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