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頬を染めてうっとりとしたような表情で俺を見る蒼に目を瞬いて、唾を飲みこむ。


「だって、」

「…っ、」

「こんなに涙目になって潤んでてキラキラしてて汗ばんでていつもの何十倍も色っぽくてただでさえそれでやばいのに、勃起したとか言って泣いちゃうしちょっと狙ってあわよくば何かしたいななんて思いながらちょっと強めに拭いたりとかしてたのに声をおさえて羞恥心に苛まれてそれでも気を遣ってくれるから」

「…あ、あおい…?」


いきなり興奮したような表情で言葉を並べ立てる蒼に驚いて後ずさる。
でも、布団の中では動ける範囲なんて限られていてほとんど離れられてなかった。

…そんな俺に対して、でも…彼は言葉をとめない。



「わざと何回も同じところ拭いたりしてその度にまーくんが俺を誘うような声出してそれだけでもう勃ってたのに、まーくんはそれに気づかなくてむしろそんな俺に対して申し訳ないとか思いながら罪悪感で泣きながら謝ってくるし枕抱きしめながら泣きじゃくるしなんでそんなに可愛いの俺を悶え死にさせたいのって言いたいくらいまーくんが可愛すぎて」

「え、…ちょ、…っ」


何を言ってるんだ。
蒼が、おかしい。

彼はそんな怯えた表情を浮かべるおれを見て、頬を緩める。


「なんでこんなに可愛いんだろうって最初に会った時から思ってて今でもずっと可愛いし綺麗だし純粋だからそんなまーくんを絶対に誰にも汚させないって思って色んなヤツを潰してきたけどああもしかしたらまーくんの為に何かに利用できたんじゃないかと考えたら潰したの勿体なかったかななんて思ってたけどまーくんが危ないことにならないように危険因子は潰しておくべきだしそう思うとやっぱり俺のしてきたことは正解だったんだなあなんて思って、今も潤んだ目で戸惑ったように見てくるからもう」


そこで一度言葉をとめた蒼に、驚きに目を見開くおれに対する距離を一瞬で詰められた。

囁かれる、声。


「…――――――我慢なんて、無理」

「…っ」


その声が、いつもより低くて甘く掠れている。
おれよりむしろ蒼の方が何かの熱に浮かされているようだった。
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