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獲物を捕えたような冷たいその瞳が鋭くなって、細められる。


「あお…っ、ッ!」

「…ん、」

「ふ…っ、ぅ…っ、んぅ…!!」


唇に噛みつくように塞がれて、呼吸もできないほど舌に口内を翻弄される。
押し倒されて、手首を上から押さえつけられているせいで全く身動きができない。


「もっと感じてる声が聞きたい…」

「ん゛…っ、んーーー!!っ、ぁ…っ、やめ…っ」


大声を上げようとしても、それは唇を塞がれることによって音は消えていく。

さすがに何をされているかなんて熱を出していてもわかる。
この状況が危険だって、今のちゃんとしない頭でも分かる。


(…へ…)


そして、床におれが放り捨てたネクタイで両手首をまとめて縛られたことに気づいて、青ざめた。

ぞわりと寒気が走る。
血の気が引く。
嫌だ。嫌だ。


「あおい…っ、ひぁ…っ」


首筋に這うそのぬるりとした感触に、身体が震えた。
その舌が段々と降りてきて、それが胸元に辿りついた途端にびくりと身体が震える。

必死にネクタイを解こうとして、それに気をとられていると乳首を軽く歯でひっかけられて「んふ…っ」と上擦った声が口から漏れる。


(…こ、こんなことされたら余計勃つ、んだけど…)


下半身に嫌でも熱が集まっていく。
やばい。本当にやばいって。


……というか、なんで蒼とまたこんなことになってるんだ。


自分の家で友達に襲われるなんて、冗談じゃない。
見慣れた部屋なのに、されている行為が異常だ。
頭が、うまく働かない。


「…まーくん、かわいい」

「ちょ…っ、」


ぼうっと顔を赤らめた蒼に今度は頬を掴まれて唇を押しつけられ、啄むようなキスをされる。

ちゅ、ちゅ、と音を立ててくっついては離れていくソレ。

おれと蒼は友達なのに、こんなことをされて、自分は感じていて。
無理矢理与えられる快感に、おれを見るその欲情した瞳に、恐怖が心を占める。


「んっんぅ…っふ…ぅっ」


その唇が離れていくたびに声が漏れて、目の前の顔がそれに対して機嫌良さそうに微笑む。
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