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その行為の末に、俺の体液と蒼の精液とクリームでドロドロになったソレがくぽりと音を立てて引き抜かれる。

何回もイって、何回も突き入れられたせいで、身体が痙攣する。意識が遠のく。


「は…っ、ぁ…っ」


虫の息という表現が一番正しいような気がした。
そのくらい、死んじゃいそうなぐらい激しくて永遠に続くんじゃないかと思う程の行為がようやく終わった後、カチャリと音がして鎖が外された。

自由になった両手。

ずっと無理矢理引き上げられていたせいで、手枷のついている辺りが赤くなっていてジンジンと鈍く痛む。


「……」


でも、もうすでにそんなことさえ気にならない程、俺は



「あはは…っ」


おかしかった。

おかしくなっていた。

気づけば、笑って蒼の性器に手を伸ばして

…――惹きつけられるように、そこしか目に入ってこなかった。


――――――――――――――




「っ、けーきたべる…」

「積極的なまーくんも凄く可愛い」


えへへと笑って、まーくんは俺の性器についたクリームをすべて舐めとるように、必死にぺろぺろとその可愛い舌を這わしている。

イきすぎせいもあるんだろうけど。

興奮したように頬を赤らめてるまーくんを見ると、確実に媚薬の効果が出てる気がする。




「やっぱり、クリスマスはお互いを求め合わないとダメだよな」



一方的な行為だけじゃ、全然満たされない。

まーくんが泣けば泣く程、その泣き顔が心を刺激して。

もっと泣いて欲しいとさえ思って

だからさっきはあんなことをしてしまったけど



「…まーくんから求めてくれると…こんなに嬉しいものなんだ」


目の前のその姿に、思う。

……例えそれが、薬の効果であったとしても

まーくんの意思じゃないとしても。

…今、ここでこうやって俺を求めてくれてるのは

まぎれもなく、まーくん自身なんだから。


「…っん、ちゅ…っ」


そんなことを考えて無意識に表情を緩めていると、まーくんが不意に甘い声を漏らした。

ドクンと心臓が跳ねて、身体の奥が熱をもつ。

まーくんが必死に俺のモノを舐めて声を出している姿は、異常なほど腰にクる。


「…んっ」


その舌が先端をちゅうと吸って、尿道の中のものさえ奪っていきそうな強い吸い方に一瞬、身体が震えた。


「…っ、おいしい?」


微笑みながら、髪に触れてそう問えば
まーくんは頬を緩め、満足そうに笑って頷く。

素の状態では見られない、蕩け切った笑顔。

欲情した表情。



「うん。おいしい。ありがとう…っ、ん…っ」

「メリークリスマス。まーくん」



ほっと息を吐いて、その額に口づける。

汗ばんだそこを、また愛しいと思う。



「あおい、めりーくりすます」



そうすれば、まーくんがふわっと笑いながら手を伸ばして。

俺の首に腕を回して、抱き付いてくる。

(……嗚呼、可愛い。愛しい)

頑張って、ケーキ作ってよかった。


愛しいその笑顔に惹きつけられるように

顎を掴んで、唇を重ねた。


【メリークリスマス】


二人だけの、聖なる夜に。

泣きたくなるほどの感謝と祝福を。
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