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軽く触れている唇の感触に、自然と首に回した腕の力が抜ける。
甘える感じに、唇をはむはむしたり、吸ったりしてみた。
無抵抗なさっくんの寝込みを襲ってるから、珍しく自分の思うようにじっくりキスができて嬉しい。
「ふ、へ、へ…」
おそるおそるベロを出して、さっくんのそこをちょっと舐める。
へへ、どうだ。とそれだけで悪戯をした子どもみたいに既に喜んで、このないしょの遊びに満足した。
よし。もう充分だ。あとはもういっかいぎゅってしながら寝たい、と今後の予定を決めながら唇を離す、と
「っ、」
(…え、)
至近距離で、さっくんが微かに薄目を開けたのが見えて、心臓が跳ねる。
「……ぁ、」
…それは、確実に獲物を捕らえたエロい男のやらしい目つきだった。
しまった。と思った瞬間、
「んん゛っ?!」
手で後頭部を掴まれ、強引に唇を奪われた。
反応できる前に、すぐに隙間から舌をねじ込まれる。
「ン゛ーー!!」
じたばた。暴れた。
ねぼけてた頭が一気に覚醒する。
(なんでだ。なんでこうなった。一体どうなってる。何が起こってる)
起きたばっかりのはずなのに平常運転で口の中を、脳天を犯してくる巧みな舌の動きに、全くついていけない。
「っ、ふ、!…っ、ら、ぁ、」
「…は…っ、」
酸素を奪われ、舌の動きを追われているうちに、自然と身体から力が抜ける。
ゾクゾクして、熱い感覚が心地よくて背筋が痺れた。
合間にぷはっと息を吸えば、休憩なんか許されず、舌が生き物みたいにぬるっと柔らかく絡みついてくる。
(…舌、熱い…)
口と口の間で、二つの舌がむしゃぶりつくように動く。
柔らかくなったり、尖ったり濡れた舌を擦られ、絡めさせられながら、相手の舌の感触を異様なほど意識してしまう。
(…やっぱり、好きだな…さっくんのキスの仕方)
表情とか…舌の絡め方とか…全部が、とんでもなくエロい。
涼ともしたから、余計に改めて違いを感じる。
唇の端から唾液が零れ、触れている場所から、ドキドキとそれ以上に安堵感が広がった。
瞑っている瞼の裏が熱くなり、ただ気持ち良いという感覚だけがじんわりと体に残る。
「は、んん…っ、ん、むー!んぅ゛ーー!!」
息が苦しくなり、心臓のドキドキが異常になってきたところで降参した。
こっちは限界なのに、余裕綽々っぽいさっくんの身体を軽く叩く。
……凄い数の女としてきたんじゃないかと思うくらい、慣れてるじゃないかと毎回言いたくなる。
どうやってもキスでさっくんより余裕を保てたことがない。
頑張ってなんとか逃れれば、次は「ぎゅわ」強めの抱擁を受けてつぶれたぬいぐるみみたいな声がでた。
「っ、ぇ、ぁ、へ?…さ、…ぅ、もしかして、……寝てなか、った…?起きてた…?」
「はい」
頭の上から、なんだか楽しそうな声が返事をする。
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