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………
…………………
「…夏空様、」
「ん。入って来い」
「着替えましたが…これで宜しいでしょうか」
「……――…」
声の方向を向いて、…思わず、ごきゅ、と喉を上下させる。
不覚にも、見惚れてしまった。
私服の、さっくん。
普段全くお目にかかれない私服姿。
黒のシャツがほんとに凄く凄く似合ってて、…全体的にシンプルだけれど、それが更に格好いい。
「…っ、」
「…?」
眩しすぎてふいと視線を逸らしたオレの反応に、さっくんが心配そうに見つめてくるが、内心構っていられる心境じゃなかった。
(…かっこよすぎて、心臓止まるかと思った…!!)
見えないように息を整えつつ、…改めてさっくんを見上げて思う。
ほんと…綺麗な顔してるな。
なんだこれ。狡い。着替えただけなんだぞ。それだけでさりげなく落とそうとしてくるな。
「…(それにしても)」
兄ちゃん。
兄ちゃんか、いいな。
本当にさっくんが兄なら、自慢だろう。
家事も勉強も運動も何でもできる。
(…というか、あれだな。さっくんと血がつながってれば、半端ないイケメンになれたかもしれないのか)
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