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無意識か、腰をくねらせるような動きが俺を誘っている。
ちんこから滴る蜜が光る。レロレロじゅるじゅる吸いこむと可憐にびくびく身体を震わせていた。

ローションも垂らしながら抵抗する肉壁を指の腹で弄りまくって、俺の指の形を覚えさせる。
そうしていると動かしている指へと驚くような吸い付きを見せ始めるナカに感嘆しながら、流羽の声が上がるほどグチャグチャにして指でナカの反応を味わった。

肌を伝う汗の味にごくりと唾をのみ、堪能する。
ちんこから溢れる蜜も忘れず舐め、しゃぶる。
これが流羽の陰部の味…酷く官能的だった。


「俺の愛撫がそんなに気持ちいいのかよ?」

「ぁ゛、ぅ、っ、ひ、」


部屋の影になってる場所。
隅のソファーで脚を組んで観ているだろう『ヤツ』にほくそ笑む。


「ほら、どうだ――」


ちんこから口を離し…流羽は俺の方が好きなんだ、と笑って言ってやろうとしたとき、


「…っ、ゆ、うさん…っ、」

「……っ!」


流羽が泣きながら、あいつの名前を呼ぶ。
泣いてるのは、俺に股間を舐められているからじゃない。
亀頭を咥えられ、股間の中心部を弄られまくって感じていたからじゃない。


「ごめ、らさ…っ、おれ、が、……っ、わる、……った、…ら、だか、ら、」


声を漏らしている流羽が喘ぎ声に混じって叫ぶ。
必死に声を平静にしようとして、けど、若干甘くなっている声で、悲痛にわめく。


「その人、と、…キス、しないで…っ、」


できることなら、今すぐ俺の下から逃れて縋りつきたいと示すように、懇願する。


「さっき言ったと思うけど、流羽がイクのを我慢できればしないよ」

「…っ、!や、だ、やだぁ…っ、ゆるじ、ゆるし、て、……っ、おれ…が、なにか、しちゃっら、なら、…っ、あや、まる、から…っ、だ、から……っ、おねが、…ごめんな、さ…っ……やだ、…っ、……ゆう、さ…っ」


流羽が何度イッたか確認するために、照明はついたままだ。
その顔がくしゃっと痛みに歪んで、目からほろほろと頬に涙がこぼれていた。

…そう。あの男…水瀬(みなせ)は一人じゃない。

隣には俺の『元カノ』も一緒だった。

綾女は面食いってのもあってすぐに水瀬に堕ちた。
本来なら彼氏としては怒ってもいいところだと思うけど、俺としては都合が良い。

ベッドで愛し合う俺たちを鑑賞するかのように、ソファーに腰かけ、嬉しそうな顔でべったりと水瀬に身体を寄せる綾女。
水瀬もべたついてくる綾女を拒む様子はない。
決して受け入れているわけでもないが、傍から見ればいちゃついているアベックのようにしか見えなかった。

その二人を見た流羽が更に唇を震わせ、声を上げて泣き出しそうな顔をする。


…――先程、俺が流羽を押し倒し、おっぱじめる前に水瀬が言った言葉。


『流羽が正樹君との行為でイッたら、回数分彼女にキスする』


淡々と文章を読み上げるような声音で放たれた台詞は、流羽の感情をかき乱すには十分すぎるほどの威力だったらしい。

数秒間呆然としていた流羽が悲痛に顔をゆがめて、『嘘だよね…?』と壊れたように微かに笑って冗談を聞いたとでも言いたげに訴える姿は、今まで見たもの何よりも儚げで健気で、…それほどまでに相手を好きなんだと知らしめられた。

聞いてる俺でさえ、こいつはどうかしてるんじゃないかと思った。
『恋人を目の前で友人に犯させる』ってだけでも異常なのに、その友人の彼女にキスするって言うか普通…?

水瀬は…完璧なのは外見だけで、中身は狂ってる。
そんな奴に流羽を任せておけるか。


「こっち見ろよ…」


またキスする。
開いた唇の隙間から他の男の名を呼ぶ流羽の声なんか聞こえない。


「はぁ…っ、はぁ、もう我慢できない…、流羽…好きだ…」

「…っ、んん…っ、…待っ、……やだ、…っ、ゆうさん、嫌だ、助けて、やだ、嫌だぁ…っ!!」


両手で素肌の股を左右に押し開く。
蹴り上げられようが、暴れられようが、俺の目にはそこしか映らない。
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