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「…や、だぁ…っ、」


くしゃ、と愛おしいと思ってしまうほど泣き崩れた。
これでもかってほど、ぐちゃぐちゃに顔を汚し、やだ、嫌です、嫌だ、と今まで以上に、ぅ、うえ…っと声を上げて泣いている。


「狡い…っ、優さんは、ずるい…っ、ずるすぎる…っ」


ぽんぽん胸板を叩かれる。
身体に与えられる痛みはない。

…それより、感情の痛みの方が大きかった。


「俺が優さんのこと好きで、大好きだから…っ、離れられないってわかってるから、こんなことするんだ…っ、」

「…思ってないよ」


目を伏せて呟いた言葉に、嘘つき、と詰る滲んだ声。


「嘘だっ!全部わかってるくせに…っ」

「……」

「わかってて”別れる?”なんて、酷い…っ、」


声を上げて泣く流羽に、何も返すことができない。
…自分が最低な男だということは心底自覚している。

酷い目に遭うだけだから、別れたらいいのに。

それでも、流羽は何度俺に酷いことされても、させられても、…俺を嫌いになったとは言わない。

せめて自分にできることといえば、謝って抱き締めることだけだった。
けど、そのせいで余計に流羽の感情の波が大きくなったのが伝わってくる。


「……好きだよ、本当に」


痛みに瞼を伏せ、唇を重ねた。
舌を絡め、あの男に教えたのと同じように流羽の弱点を重点的に擦り上げる。


「っぁ゛うっ!!?!!」


びくびくっと身体を跳ねさせ、ペニスを締め付ける肉壁が異常に脈打つ。
追い打ちをかけるように腰を抜き差しし、弱い部分を容赦なくゴリュゴリュごりゅ…!!ネチュネチュネチュ…!!と熱を生じるほど摩擦し続けた。


「、ぅ゛ぁああ?!!ぃひイぃぐ、…っ゛…!!そ、こ、ら゛っが、め、っ、ま゛、っ、だ、めぇぇ゛…ぃ゛ぐ、ぅ、っ、は、ぐ、…ぃ゛――っ、」


顎を突き上げ、一際下腹部を突き出し、俺の腰に両足を回してぶるぶると震えた。
全身から汗を拭きだして声を上げ、仰け反った。

ギューーっとナカが締まり、ペニス全体がさっきよりも強く締め付けられる。
「……っ、」その締め付けに抗いながら律動を激しくし、強引にドン、と今まで以上に乱暴に腰を押し付ける。最奥のコリコリしている中心部をゴリッと押し潰して突き上げながら欲を吐き出せば、「っぁ゛ぁァァ!!」涙を流しながら叫んで大きくガクガクと震えた流羽がシューーっと透明な潮を吹いた。食いちぎられるかと思うほど締め付けられるペニスに、思わず声が漏れそうになる。


「―――――――ッ゛…!」


強い刺激に一旦抜こうとしようにも、流羽にぎゅうっと腕と足の両方で抱き付かれていて動けない。
絶妙なキツさで異常に吸い付き、扱くように締め付けてくる肉壁に刺激され、残すところなく精液を絞り出された。


「…ぁ、っ、ァ……」


虚ろな流羽の声と、まだキツく締まり、ビクビク痙攣している肚の中。
長い射精の余韻で脳が痺れる。
お互いの果てた息遣いだけを感じ、抱き締めながら汗ばんだ肌を密着させた。

その体勢のまま、しばらく動けなかった。

段々と思考が戻ってきて、…ペニスを引き抜く。
びくっびくっと小さく跳ねている流羽の穴が収縮して、精液がどぷっと音を鳴らしながら溢れ出てくる。


「…あーあ、…」

「…ゆ、…ひゃ……?」


零した声に反応し、ぼんやりと俺を見上げた流羽が、火照った顔のなかに困惑したような、少しだけ怯えるような表情を滲ませた。
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