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02
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◆→注意!
◆KIMONO
「似合う?」艶やかに擦り寄ってくる彼女。和服を着たその姿は日本人形のようで「チカの好みだった?」「ああ…本当に、お前は美しいな」さらりとその髪を掬えば、耳元で囁かれた「お戯れを――旦那様?」「…っ!」誘う彼女の手首を掴んで押し倒す――もう、止まれない「戯れだけじゃ、済まないかもな…」前をはだけさせて、さらされた首元に歯を立てる「だから…覚悟しなさい、」青年はその手で人形の華を散らす、
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◇BATH ADDITIVE
湯を張ったバスタブに、入浴剤を溶かし込む「チカ、今日は何?」「甘いの。好きだろう?」それは無数の泡を弾けさせながら、花火のように身を削っていく。やがて湯は淡紫に染まり、ラベンダーとバニラの香りが広がる「どうしたの?」その色と香りに見えた影――全てかき消してしまいたい「…忘れたいんだ、」「嫌なこと?」頷き、黙って引き寄せる「だからお前で満たしてくれ…!」青年もまた人形を求める、
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◇TEA PARTY
「これ、全部私のでいいの?」チカの瞳と同じ緑色のマカロン、一面に苺が敷き詰められたタルト。デコレーションケーキには、蝋燭が立てられている「ああ。今日は特別だからな、」カップに注がれた紅茶に、彼の顔が映り込んだ。そういえば、今日は私の誕生日なんだっけ――でも「私はチカと一緒がいいなぁ、」ケーキの1ピースにフォークを刺して、彼に差し出す「これからも宜しくね、」人形は青年とのひと時を味わう、
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◆BRANDY
チカは紅茶入りのカップを私に持たせる。曰く、ブランデーを垂らしたこれが美味しいのだと「飲んでもいい?」「ああ。これもいいぞ、」半分程飲むと、彼はボンボンが載った皿を私の前に置き、右手でそのうちの1個を摘んだ「口開けて…そう、咥えて、」言われるがままに、彼の指ごと咥える。そのうちにアルコールが体に回っていき、私はふらりと姿勢を崩した「熱いの…っ、楽にして…!」人形は青年の与える蜜に呑まれる、
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◇MOONLIGHT
久々に許可を貰い、監視官の彼女と外に出る「チカ、何処へ行くの?」彼女の車椅子を押し、歩き出す。夕食を終えた頃には既に日が暮れていた「見せたいものがあるんだ、」本物のライラックが咲き乱れる庭園。薄紫の花とそれに見蕩れる彼女を、月明かりが照らす「わあ…!」ふわりと手の中に落ちた、5枚の花弁を持つそれをそっと飲み込んだ「こうすると、永遠が手に入るらしいな」青年は人形との永遠を願う、
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