*
03
*
◆→注意!
◇HAIR
朝、起きた彼女の後ろ髪に櫛を通す「艶やかだな、」するすると通るのは、いつも上質なシャンプーとトリートメントを使わせているからだろうか「チカが洗ってくれるからだよ、」もう片方の手で前髪を撫でれば、彼女は甘えるように背中を預けてきて。シャンプーに使われている薔薇の香りが、ふわりと漂った「今日の夜も…洗ってくれる?」彼女は強請るように言った「ああ。…当たり前、だろう?」青年は人形の髪を愛でる、
*
*
*
◆CANDY
喉を痛めた私に、チカは飴をくれた「林檎味でよかったか、」小さな赤い袋を両手で開け、中身を取り出す。親指と人差し指の間で、光を通してきらめく半透明の玉「うん、有難う」含んだあとは、ゆっくりと溶かしていく。途中で一瞬口を開けば、飴玉が入っているのも構わず塞がれた「っう…!」離そうとする私の頭は左手で押さえられ、飴はどろどろに蕩けていた。それはまるで「…今のお前みたいだ、」人形は青年と溶け落ちる、
*
*
*
◇DARK ROOM
チカは私をベッドに寝かせ、電気を消す「どこ…?」姿が見えなくなり不安になる私を、彼の右手が撫でる「ここにいるぞ、」「チカ…っ、」お願い、私を嫌いにならないで「どこにも行っちゃ嫌だよ、ねえ…!」そう強請れば、彼は布団に入り私を抱き締めた「よしよし、」こうしていると、私には彼以外の全てがどうでもいいのだと思わされる「ずっと、側にいてやるから…ゆっくりお休み、」人形は青年と眠りにつく、
*
*
*
◇JEWEL
宝石の本を眺める彼女「気になるの?」エメラルドにペリドットに翡翠。覗き込んだページに載るのは緑色のものばかりで「緑色が好きなのか、」「チカの瞳みたいで。特にこれが好き」彼女が指差したのはグリーントパーズ。11月の誕生石なのだそう「チカは11月生まれだから、」その言葉で、自分がいかに彼女の思考の大半を占めているのかを知る「何でもチカになるの、なんでだろう…」青年は人形を無自覚に支配する、
*
*
*
◇DRESS
チカは私の前にドレスを広げ、問う「これでいいか、」この後は一係のパーティ。久し振りに皆と顔を合わせるのだ「うん、」彼の望む私になりたい――そんな理由で、私が身につけるものはほぼ全て委ねている「じゃあ…」彼は私の服を脱がせ、広げたそれを着せた「やはり、これはお前に似合うな…」翡翠色をしたビジューが付いたドレスを着て、車椅子に座る私「優しくエスコートしてね、」人形は青年の手で飾られる、
←top