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04
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◆→注意!
◇LIP GLOSS
朝起きて、最初にチカに挨拶する「おはよ…っ痛!」乾いた唇の皮が切れる。そんな私を見かねたのか、彼はリップグロスを持ってきてくれた「乾いていたからな、」蜂蜜色をしたそれは、透明なチューブに入っている「塗るからじっとしてなさい、」彼は受け取ろうとした私を制し、顔を手で押さえて固定した。そうして閉じた唇にグロスが塗られていく「しっとりしてきたな…蕩けそうだ、」人形は青年に潤いを施される、
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◆PERFUME
彼女が香水をつけた「シオンちゃんがくれたの、」この前のパーティーで、唐之杜に貰ったものだった。赤い半透明のボトルが、枕元のテーブルできらめく「甘くて…くらくらするな、」狡噛が言っていた水煙管のような、甘い香り――そのせいか、今の彼女はいつにも増して熱く艶かしい「ちーか…?」こちらの気も知らず首を傾げる彼女を、堪えきれず押し倒す「いい加減、おかしくなる…っ!」青年は人形に魅せられる、
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◇PIERCE
「ピアスホール開けてくれる?」唐突な彼女の依頼「どうしてだ、」「チカのものっていう印がほしいの、」実体のないものに不安を覚えるのは、彼女も同じらしい「解らなくもないが…駄目だ。お前に穴は開けたくない」少し寂しそうな顔をする彼女を引き寄せ、服のボタンを外す。そして、さらされた胸元に痕をつけた「チカ…?」確かその意味は――『所有』だ「印なら…こちらにしなさい、」青年は人形に印を残す、
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◇MIRROR
浴衣を着た彼女「どういう風にしてくれるの?」旧時代の縁日が再現されると聞き、行くことにしたのだ。車椅子を押し、鏡台の前に向かわせる「どういうのがいい?」「好きでいいよ、」下瞼に白いパールシャドウを塗る。涙で潤んだかのような、憂いを帯びた瞳「私がどうなっても…ずっとチカのお人形さんでいられる?」そう言って鏡越しに笑いかける彼女は、どこか寂しげに見えた「…ああ、」青年は人形に色をつける、
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◇RING
一係の皆で来た縁日「行ってくる、」チカを見送り、シオンちゃん達と屋台を巡る。焼きそばや林檎飴などをつまんでいると、あっという間に2時間が経っていた「おかえり、」「安物だけどな、」帰ってきた彼は、緑のストーンがついた指輪を私に見せた。幅広の方を受け取り、彼の指にはめる「幸せになろうね、チカ…」言えば、彼ももう片方を私の指にはめてくれた「もう…なってるけどな、」人形は青年と約束を交わす、
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