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05
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◆→注意!
◇SLEEPER TRAIN
揺れながら進む寝台特急「チカ、」暗くなる電車内。私達が起きる頃にはもう既に朝が来ているだろう「どうした、」彼は眠れない私を気遣ったのか梯子を降りてきて、いつものように頭を撫でた。心地よさで夢想に浸る――時にはこういう夜も、悪くないのかもしれない「…おやすみ、」彼の声を聞きながら眠りに落ちる――翌日。繋ぎあった手もそのままに、朝が始まる「顔を上げて…おはよう、」人形は青年との旅に出る、
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◇POISONOUS GRASS
ふわり、とチカの髪から香りが漂う「何の香りなの?」「鈴蘭だが、」最近よく彼がつけている、お気に入りの香りらしい「どんなのだっけ…」「お前も知っているだろう白い花だ。毒性が強いから気をつけろ」「はーい。そういえばチカの誕生花は?」「あれも猛毒だ。イヌサフランだな」――私の心をとらえ離さない『猛毒』の響きは、渇きを呼び起こした「チカ…っ、」「望みは…?」人形は青年の毒を求める、
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◇ICE CREAM
甘いアイスが並んだテーブル「…少しは暑さを凌げるか、」滴り落ちる雫を拭う日々が続く。そんな中で、彼がくれた冷たさ「あまり食べ過ぎるなよ、」私を心配してくれているのは有難いけれど「チカも食べればいいのに、」抹茶やコーヒーやメロン、他にも色々並べられているのだから「チカはどれがいい?」彼は迷っているようだ「何をくれる…?」私は先程まで食べていたものを掬う「はい!」人形は青年と共に涼む、
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◇RAMUNE
縁日で出るものが好きだと言っていた彼女「例えば何だ?」「焼きそばとかラムネとか、林檎飴とか!」その答えに微笑ましさを感じる――少しした後、半透明のラムネの瓶を差し出すが「どうした、」「チカ…」その中身を飲もうともせずに見つめる彼女「開けようか?」「うん、」栓を外す瞬間がどこか祝い酒に似るそれを、互いのグラス一杯に注ぎ飲み干した「またお前とこれを飲めたら、」青年は人形と泡を弾く、
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◆BABY DOLL
「ただいま、」部屋の扉を開けると、ベビードール姿の彼女が待っていた「似合ってる?」淡い緑色のサテンのそれ。着せた奴の見当はついた――後で分析室に行こう。それよりも彼女を手にかけるのが先だと、自分の前側に引き寄せる「嫌だった…?」少し涙目で訊く彼女を、宥めるように撫でる「違う、逆だ。狂いそうなんだ、」「もう、チカはすぐ理性で抑える…いいよ、私と狂って?」青年は人形の手を取る、
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