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◆→注意!


◇COCOA
「冷たいのじゃなくてよかったのか?」頷いた彼女の要望。まだ熱いココアの中に、幾つかのマシュマロと金平糖を入れる「うん、いいの」それらはココアの温度でゆっくり融けていく。中身をマドラーでかき混ぜた後に氷を入れ、コップにシリコンの蓋を被せる「チカ…こっち来て、ぎゅってして…?」側に寄れば、服の裾を握ってくる彼女。堪らず腕の中に閉じ込めた「全部融けきるまで、こうしてて…」青年は人形とひと時を待つ、






◆FEVER
彼女が熱を出した「チカ、苦しいの、」薬の作用とは違うようだった。財団の関係者らに健康管理もさせていたはずなのに「すまなかった…!」もしかしたら昨日の潜在犯の中に熱病の患者がいて、知らずに媒介していたのだろうか。そのせいで彼女は――「いいの。側にいて?」「そんな訳には、」「じゃあ、チカも熱くなって?…私と融けてよ、」最後の理性は、既に融けてしまった「…全く、」青年は人形と熱に浮かされる、






◇CHERRY
テーブルの上のプリンアラモード「今日はこれ?」「ああ、」ホイップクリームが載ったプリンの周りを、苺やメロンなどが囲んでいる。一番上の、宝石のようなさくらんぼに目を惹かれていれば、チカの指先がその柄を摘んだ「くれるの?」彼は頷き、私の口にさくらんぼを咥えさせる「種のないやつだ、」赤い薄皮を歯で破る。シロップ漬けのそれは甘くて、少しだけ酸味があった「好みだったんだな、」人形は青年から甘さを受けとる、






◇SOUP
いつも通りの朝食「いただきます、」今日のメニューのひとつは、ほうれん草のポタージュだ。心なしか、最近食卓に緑色のものが増えてきたように思う「身体を冷やさないようにな、」スプーンで掬われた、温かいそれを口にする。まろやかなチーズの味がした「やっぱりチカは優しいね、」「そうか?」緑色だからか、このスープにも彼のような温かさを感じる「優しいだけじゃないのは、わかるよな?」人形は青年と朝食をとる、






◇BUTTERFLY
甘く美しい蝶のようだと思った「…どうした?」執行官になるまでの彼はまだ蛹で、そこから羽化させたのはあの人だった。私は恩人であるあの人に感謝しなければならないのだろう「チカを変えてくれた人のこと、考えてたの」「どうしてまた…」昔の張り詰めていた彼が、私にはずっと苦しそうに見えたからだ。今は今でどこかに飛んでいきそうな気もしてしまうけれど「今のチカが一番だから、」人形は青年に理想を見る、

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