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07
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◆→注意!
◇BREAD
バターと餡が挟まったクロワッサン「どこの?」「それはな、」チカが好物のフランスパンを注文したら、ついでとばかりに新商品を渡されたらしい。温度のせいか、バターがパンの中で融けかけていた「ちょっと固いかも、」少し噛み切りにくいが、その後広がる甘さと塩っぱさが堪らない「…待ってろ、」いつのまにか餡が付いていたらしく、ウエットティッシュで口元を拭かれる「これで良し、」人形は青年の勧めを知る、
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◇CAFE
『彼女さんとどうですか?』常守が勧めてきた喫茶店。ビルのエレベーターを出てすぐに、扉を開けてテーブル席を取る「チカ、私これがいい、」「ああ。半分こしような、」飲み物の後に出てきたのは、デミグラスソースが掛かったオムライス。ふわふわのオムレツにスプーンを入れ、彼女に差し出す「幸せ…」食後に窓の外を見れば、澄み切った青い空があった「またここに来ようね、」青年は人形と昼下がりを過ごす、
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◆HONEY
「甘いの、好きだろう?」ホイップクリームと蜂蜜が載せられたパンケーキ。ふわふわの生地にナイフを入れていく「ゆっくりな、」運ばれたその一片を受け止めきれず、口の端から溢れてしまった蜜。首の皮膚を滑り降りる感触は、すぐに別のものに変わる「…っ、擽ったいよう…」彼はそれを舐めとっただけでは足りないらしく、そのまま首筋に噛みついた「血の味まで甘くなってる、」人形もまた青年に甘さを与える、
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◇COCKTAIL
財団の人と喧嘩してしまった「チカ、どうしよう…」「少し待ってろ、」暫くして、目の前に出されたカクテルは緑色のモスコミュール。ライムが爽やかに香るそれを一口飲めば、炭酸飲料の味がした「明日仲直りしような、」それぞれのカクテルに意味があり、これは『その日の内に仲直り』なのだそうだ。その日の内には無理だった、けれど「大丈夫。お前の気持ちは伝わるぞ、だから…泣くな、」人形は青年に背中を押される、
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◇INN
東金から渡されたペアチケット『財団の者も向かわせますので』行き先は少し遠い場所の旅館。かこん、と添水の音が鳴る「この階の…この部屋だな、」食事と風呂を済ませた後、彼女を布団にゆっくり降ろす。隣に行けば、浴衣の袖を握られた「チカ…今ね、凄くどきどきしてるんだ…」そう言う彼女の手首に触れれば、確かに速まる鼓動が聞こえた「なんでかな…いつも寝る時は一緒なのにね、」青年は人形の心拍を捉える、
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