08

◆→注意!


◇RED STRING
肩についていた赤色の長い糸「どこのだ…?」きっと現場で何かが解れていたのだろう。ふと思い出した前時代の言い伝え――部屋に戻り、彼女に言う「ここに来て、左手を出してくれないか?」「いいよ、」その糸を互いの小指に結びつける。ほんの戯れだ、無論そのようなものなどなくとも、もう充分に彼女と引き合っているけれど「チカ、これどういうこと?」「結んでみたくなっただけだ、」青年は人形と糸を繋ぐ、






◇ROSE
「今日もお疲れ様、」チカは私の髪と身体を洗い、それからバスタブに降ろす。今日は、本物の薔薇のようなペタルを浮かべたぬるま湯「火傷しないようにな?」「わかった、」専用のトレイの上で、アロマキャンドルを焚いてくれる。今時珍しい、天然素材のものだ「お前に合うのにしたからな、」シャンプーとお揃いの、心が幸せで満たされるような香りがする「たまにはこういうのもいいね、」人形は青年の側で満たされる、






◇FLOATING STAR
イラストが描かれたアルミ缶「須郷からの土産の浮き星だ、」新潟の名産品で、あられに砂糖蜜をかけたものなのだそうだ。色々なフレーバーがミックスされたその中で、私は迷わず緑のものを摘んだ「チカはどれにするの?」「コーヒーにした、」炭酸水に浮かばせて、スプーンで掬い飲む。抹茶の控えめな甘さと、さくさくとした食感がする「ありがとうって言っておいて、」「ああ、」人形は青年と星を浮かべる、






◇FEATHER
羽毛が抜けてきたクッション「チカー…どうしたのー…?」彼女はそれをあまり気にせず、ふわふわとした雰囲気を醸し出しながら埋もれている。こちらまで眠くなってしまいそうだ「これももう取り替えないとな、」「そろそろー…?」彼女の髪に降りた幾つもの羽根を、右手で拭っていく「ああ。こんなに真っ白になって…」手を広げて誘う彼女が、天使のように見えた「チカもおいでよ、ね?」青年は人形と羽根に塗れる、






◆FINGERTIP
サテンリボンを解くチカの手指「どうした?いつもしていることだろうに…」見惚れてしまう私を撫でる彼の右手。解き終わった後の、温かいその手にすり寄った「だって、チカの指綺麗なんだもん…」私の頬に触れる左手は少し冷たい「そうでもないだろう、」首筋を滑り降りたと思えば、また上へ戻り私の口を開かせる。閉じることもできないまま、そこが唇で塞がれた「美しいのはお前の方だ、」人形は青年の指先に酔う、

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