概要
Twitterに載せているものの再掲です。少し鬱めな進化夢。名前変換はなし。by Anonymous
01
弟ばかりを可愛がる親が嫌だった。私がここにいる必要はないと思ってしまった。だから私は誰にも言わずに、荷物を持って飛び出した。そうして私はしばらく孤独だったのだけれど、それを打ち破る者がいた。銀髪のお兄さんと金髪のお姉さん。弟の知り合いらしいが、あまり弟をよく思っていないようだ。どこか安堵した私は訳を話す。もう一度誰かと聞けば、君の味方だとそう言った。
by White
02
ある日の街で見つけた彷徨う少女は、自身を我々の敵の家族だと言った。彼女を手にかければ敵も揺さぶれる、そう踏んだ我々は彼女の孤独に踏み入った。味方だと言えば心を開くとは、心理的な策略に長けた同僚の弁。曰く、孤独に身を投げた者はどこかで寂しさを覚えているのだと。事実、彼女は既に我々への警戒心を手放したようだ。
それでいいと思った。こちら側に堕ちてしまえと、絡め取られてしまえと。
by E-6
03
姉が家を出て何日か経った。仲間にも指令長にも、指導長にも訊いた。けれど、誰も何も教えてはくれなかった。母は姉の捜索願を出したものの、姉は失踪宣告書を残していたため拒否された。弟の俺ばかりを構ったのがいけなかったのかと母は後悔しているが、それで姉が許してくれるとは到底思えない。指令長は姉が敵に攫われたのではないかと推測している。それが本当ならもう戻ってはこないのだろうと。もう、許されないんだろうか。
by Vermillion
04
敵の姉と名乗る少女は、私達の手でこちら側に引き寄せた。今彼女を探す者は見かけていない。けれど彼女本人は罪悪感を覚えているようだ。「帰らなきゃ」「ここにいてはいけない」そう呟くようになった。「大丈夫よ、誰も貴方を探してはいないでしょう?そんな所には帰らなくていいのよ」私が失踪宣告書を出したことは、当然だが彼女には伝えていない。何も知らない彼女はもう、こちら側を離れないだろう。
by Anonymous
05
自分で自分が1番わからなくなる。どこかで親の元には帰りたくないという自分がいる。本当は帰らなければいけないと、ここにいてはいけないのだと、頭ではわかっているのに。「誰も貴方を探してはいない」だから帰らなくていいと、お姉さんは言っていた。お兄さんも同じらしく、「ここにはお前がいたいだけいればいい」と言っている。私は本当にお姉さん達に縋っているままでいいのかな。
by Fountain
06
元々忙しかったのだが、そこにとある運転士の姉を探すことも加わった。彼女を探す為に電子の海を潜っても何も出てこない。弟の運転士曰く、彼女は失踪宣告書を出したらしい。その為誰も探すに探せないのだろう。おそらく敵に攫われたのではないかと考えているが、まだ定かではない以上、彼や他の運転士に訊かれても正確な答えは出せない。それが私はどうも歯痒くて仕方がない。
by E-5
07
最近、俺の親友にあまり元気がない。姉が家を出たまま帰ってこないと言うのだ。彼の方は寮に住んでいるとはいえ、帰るべき場所に家族がいないと聞けばやはり不安になるようだ。俺ももし妹が家を出たら同じことを思うだろう。指令長の言う通り敵に攫われたとすると、敵側はシャショットにしたのと同じ手を使おうと思ったのかもしれない。頭の中が、帰省ラッシュ時の東京駅のように混雑している。
by White
08
名乗りたくないと言う少女に新しい名を与え、我々も名を明かさない。互いにそれで合意した。彼女の古傷を癒し、代わりの傷を我々が新しく刻みつけてしまえばいいと結論付けて。心こそがヒトの弱点だと、同僚は説いた。ならばそこに穴を開けて糸を通そう、少女を導いてみせよう。何も知らぬ彼女に翼を、他なる者には空の巣を授けようと。
by Vermilion
09
彷徨う少女はマリオネット。操る糸は互いに絡み合って、やがては縺れて解せなくなる。そこに混ざったピアノ線はマリオネットの肌を柔く喰んで、紅色の雫を滴らせる。私はその型を指でなぞってしまえばいい。たとえ彼女自身がそれに気づけども、マリオネットが糸を切ることは許されないのだから。――思えば、カメラを構えた少女の時も、独りぼっちのロボットの時も、そうだった。
彼女にこそは、この糸は切らせてあげない。
by E-6
10
義理とはいえ、確かに彼女は『姉』だった。家系がマタギでない故か厳しく育てられてはいないようだが、それは必ずしも『彼女が優しく扱われている』ということを示すわけではない。そんな彼女から離れたのは――目を背けたのは、こちらの方だ。恨まれたって、許されなくたって、多少は仕方ない。取り戻しに行ったとて、必ずしも彼女はそれを望むと限らない。
俺は、どんな顔をして会えばいい?
by Anonymous
11
弟ばかり可愛がる養親を今でも私は好きになれないが、弟自身に恨みはない。対等になりたいだけなのだ。自分を見てもらうということは、必ずしも他の存在から目を逸らすことを意味しない。
お姉さんに連れてこられた場所で目に映ったのは、お兄さんの部下らしき何かと戦っている赤い機体。それを緑の機体が呼んだ名で、私は知ってしまった。
――どうして、弟があそこにいるの。
by Fountain
12
本庄に、ある動画を見せられた。それは、私がいない間に出現したらしい巨大怪物体との交戦中のものだった。「何故これを私に見せた?」私が問うと、本庄は映像を拡大する。「指令長の探している子って、彼女ではないですか?ほら、アキタくんのお姉さん」その時、私は見つけてしまった。「人質…?」エージェント・スザクと思われる敵の隣にいる少女、あれは――
間違いなく、探していた彼女だった。
by E-5
13
交渉するために桜島に行くと、ある少女と目が合った。それは、この間本庄さんが指令長経由で見せてくれた映像に出ていた少女のようだった。「…まさか」「どうした?」「あの人かも…!」アキタのお姉さんは、やはりと言うべきか向こう側にいたらしい。見たところ結晶体のようなものは生えていないようだ。捕まったのか、それとも彼女自ら向こう側についたのか――?「…アキタの、お姉さん?」
「私は…」
by White
14
我々がヒトと共存できるとは思えない――それは変わりないのだが、彼女という人質を手放してしまわなければならないのは少しだけ惜しい。しかし彼女を旧世代の奴らに会わせるわけにもいかず、結局彼女の行方は同僚に任せることにした「お姉さんといるのは変わらないんだ、」良かったことといえば、当初の陽動という目的が達成されたことくらいか。それを彼女がどう思ったのかは最後までわからないままだった「さよなら、」
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