楽園の箱
※ぬるいですが、r18注意
「…お兄ちゃんっ、」
妹が袖を引っ張る、と言っても実の妹ではなく、妹の婚約者の妹だ。
俺は彼女――**と付き合っている、事になっている。本当は実の妹が好きだが、妹は**の兄、トビーさんと婚約しているし、それ以前に兄妹だから付き合えるわけもない。
**もまた同じでトビーさんが好きだ。
手を引いて、ベッドに倒れこませる。
「…その呼び方、誰もいないところだけだよ?」
「うん、わかってるもん」
「それで、今日はどうしてほしいの?」
「…特別コース、かな」
「いいよ。…目、閉じててね」
**を仰向けにさせ、目を瞑らせる。
「ねえ、お兄ちゃんっ…はやく、」
**が何を求めているのかなんて、義眼で容易くわかる。けれど、あえて彼女からするように仕向ける。
「…**からするんだよ?」
とんとん、と頭を撫でると、**は横に首を振った。
「嫌…お兄ちゃんからがいい、」
「しょうがない子、」
大人しくして、とでも言う代わりに彼女の言葉を遮る。
「…っ、う!」
落ち着いた所で唇を離し、顔を覗き込む。それは既に緩みきっていた。
「どうしたの?」
「何でもない、」
「よかった。――今日はあんまり触れてあげないからね?」
「え……っ、」
どうして、と言いたげな表情で見上げられる。
「今日は頭の中だけで蕩けてもらうよ、」
そう告げると、**はこくり、と頷いてみせた。
「**、何されたい?」
耳元で問う。
「想像してみて、」
***
暫くして**を見やると、蕩けきった表情を浮かべていた。
「…**、目を開けて」
こうなった彼女は驚く程に従順で、躊躇う様子もなく瞼を開ける。
「見せてね、」
義眼で**の“想像”の一端を見る――それは彼女がどろどろになるのもわかるなあ、というような――現に彼女はその熱が収まらなくなっていて、それを逃がしてしまおうとすら考えているようだ。
引き上げて座らせ、後ろから**の目を覆う。
「もう、無理みたい?」
「うん…っ、」
「…まだだよ、」
片方の手で額を強く押さえる。堪えきれないようで、体が震えてしまっていた。
――そろそろ、だな。
耳を軽く噛んで、そちらに意識を向かせる。
「――**、もういいよ」
すとん、と力が抜けた彼女が寄りかかってくるのを受け止める。
「ねえ…っ、もう…無理だって…っあ…!」
今更、わかりきったことを言う**。その相手は想像の中のトビーさんか、それとも。
「そうだね、わかってるよ…俺がいないと、もう無理だもんね?」
実の妹に似せて結った後ろ髪を掬う。手から滑り降りるそれはとても滑らかで、おそらく似せる前から本物のミシェーラとよく似ていたのだろうと思った。
「…お兄ちゃんっ、」
熱で融けたような声でトビーさんを呼ぶ**を、実の妹たるミシェーラと重ねる。
「もう一回、して…お願い、」
上擦った声で、**が強請った。
「いいよ。…**、誰に言ってるの?トビーさん?」
兄として接し続けてほしいか、と問うてその先を選ばせる。
「ん…今度は、レオがいいな、」
「はいはい、」
再び押し倒して彼女を見下ろす。ここから、抜け出せないままだ。