だめな僕をどうか許して
※夢主はウィンリィちゃんの妹です。
※お相手はエドですが、夢主はアルの彼女です。
※エドウィン、アル×夢主が前提の、浮気夢となっています。
※時間軸は原作の全てが終わった後くらい。アルの髪だけはシャンバラ準拠。
※エドが少々メンタルやられてる。
「エドワードってば、お姉ちゃんはいいの?」
「**こそ、アルはいいのか?」
私達にはお互いに相手がいる。
エドワードは私の姉・ウィンリィと付き合っているし、私も彼の弟・アルフォンスと付き合っている。が、アルフォンスはメイから片思いされているので、彼女を尊重した上でポリアモリーを続けている。
「アルフォンスは最近構ってくれなくてさ…私が帰って来たか時にいないと思ったら、大抵メイと一緒にいるんだよね…まあ、そういう関係を受け入れたのも私なんだけどさ、」
「だからって、それを彼氏の兄で埋めるのかよ?」
エドワードは私にしてみれば『彼氏の兄』で、その上『姉の彼氏』でもある。
当てつけのように浮気を試みた私だが、その相手がよりによってエドワードだった、それだけだ。
「しょうがないでしょ?たまたまお姉ちゃんの彼氏が、あんただったってだけなんだから…」
「お前、昔からいい性格してるよなー…」
「そう?エドワードだって変わらないじゃない」
ずっとではないけれど彼らのことは姉と共に見ていたし、だからこそ2人に鎧があろうとなかろうと、エドワードが錬金術を使えようと使えなかろうと、彼らの芯は 変わらないことを知っている。
エドワードの言う通り、私も変わっていないのかもしれない。
私は彼ら2人を『エドワード』『アルフォンス』と呼んでいる。姉のように愛称で呼ぶことは一度もなかった。
「お前なー…お前も俺も、相手がいるっていうのに…」
「いいでしょ…今は私だけを見てよ、」
「ほんと、お前は我儘なとこも、昔からだよな…」
エドワードも変わらず我儘な癖に、人のことを言えるものなのか。
「…俺もだ。今はアルにもウィンリィにも顔向けらんない…だから…」
彼の言おうとしていることは何となくわかった。
***
「ちょっ…と、待ってエド、ワード…!」
「寂しいの、埋めたいんだよな、」
「そう、だけどさ…っ!」
だからといっていきなりはないだろう、いきなりは。
けれど、“ああ、彼って昔からそういう性格だったな…”なんて一瞬思ってしまうから、何だかんだで突き放しきれない。何より少し強がるような言い方だったから、これ以上突き放してはいけないのではないかとも思ってしまう。
「**。脚、避けててな。機械鎧が当たるの嫌だろ、」
全てが終わってからも、彼は左脚の機械鎧をそのままにしている。ひとつは私の姉の為、もうひとつは戒めのためだという。
「…ありがと、避けとくね」
それでも。
「…縛ったままなの、気になるんだけど」
少し黄土色がかった金色のポニーテール。
その髪型を見ていると、どうしても彼の弟のアルフォンスを思い出してしまうのだ。
「アルフォンスに見える…」
「だったら、**が解いてくれよ、」
エドワードの髪を縛るゴムに手をかけて解いてゆく。やりやすいようにと配慮しているのか、彼は私の肩にもたれかかる。
解き終えて、はらりと髪が降りてきたところで感じた違和感。私の肩が持っていかれる感覚。
まさか――噛みつかれている?
「…っ!何を、するの…!」
「ごめんな、痛かったよな、」
「…全部、持ってかれちゃうかと思った、」
「持っていきやしないから安心しろよ、俺は真理じゃないからな」
彼は私に気を遣っているんだかいないんだか、よくわからない。おそらく遣ってはいるが、それより先に本音が出てしまうのだろう。
「ごめんな…アルもウィンリィにも顔合わせらんなくて…全部**に受け止めさせて…」
「大丈夫。私も同じだから…」
今の私も、そうだ。
姉にもアルフォンスにも顔を合わせられない。たまたまとはいえ姉の彼氏を略奪しかけてしまったのだから。おまけに同じ心境であろうエドワードの心にまでつけ込むなんて、私も穢れてしまったものだ。
「でも、もう少し…もう少しだけだから…」
私に頭を撫でられているままの彼が、絞り出すような声で私に請う。
「このままで、いさせてくれ…!」
私の肩でぼろぼろと涙をこぼすエドワードは、普段の勝気な彼からはあまり想像がつかない。
「…いいよ。私も同類だから、」
――貴方は私が許してあげる、だから貴方も私を許して。
なんて、傲慢かな。