親から勧められてこの学園を受験し合格したものの、元々興味ないものにはとことん興味ない性格故に苦手教科は得意教科の半分以下のやる気で向かっていた――そんな私の最近のお供はいわゆるスマートドラッグと呼ばれる、集中力を高め勉強や仕事の効率を高めると称する薬剤だ。簡単にお勧めできるようなものではないのだが、これを使いはじめてから確かに勉強がよく捗るようになったし、あまり無理をしなくても成績も伸びた。
数日後にテストを控えた今日。最後の追い込みとばかりにその瓶を手のひらで転がしていれば、同じクラスで親同士が知り合いの『わっちゃん』こと牛島若利がこちらを覗き込んできた。
「おい、神山。なんだ、それは」
「ん?わっちゃんは知らなくていいやつだよ」
いいよね、わっちゃんは推薦で――なんて、わざわざ口に出して言うほど私は馬鹿じゃない。
聞けば、彼の部活の後輩であり一般入試で白鳥沢に進学したという白布くんが同じものを持っているのをどこかで見たらしい。胡散臭いものを見たような目で私を見つめる彼はいつも通りの生真面目な表情で、だからきっとこれがどういうものかも私の言う通りに受け取るのだろう。
「確かに、考えてみれば少し興味がある」
「へえ、意外。使ってみたいの?」
「ああ。神山が使っているなら」
「でも、わっちゃんが使ったら……ユース、クビになっちゃうかもよ?」
悪戯っぽく忠告をするように伝えれば、彼は小さく眉をひそめた。
スポーツ選手のドーピング問題についてはそこまで深くは知らないが、U19日本代表にも選ばれているわっちゃんに薬の使用が見つかったとなったら、当然大問題となるだろう。万が一薬に手を出すようなことがあれば、それを決して許さないのが競技の世界なのだ。
これは、わっちゃんには必要ないものだから。うちの学校に推薦で入れたような人は、使わなくていいものなんだよ――そう言ったのに、彼は引き下がらなかった。何をやっていても楽しそうじゃないと評されたこともあるらしいけれど、普段は何事にも興味なさそうなのにひとたび火がついてしまうと止まらないのは、昔から変わっていない。
「そうか……なら、」
「やめておく?その方がいいよ」
「だめだ。使わせてくれ」
そう言った側から、彼は私の手から瓶を奪っていく。とはいえこの瓶にある分の薬は先程使い切ったので、彼はただ単に空き瓶を奪ったことになるのだけれど、彼にあの薬を使われないで済むのならそれでいい。
けれど変なところで聡いところがあるわっちゃんはそれが空き瓶であることにすぐに気づき、訝しげに私を見た。
「……って、これ、空き瓶じゃないか」
「だから、わっちゃんは使わないほうがいいよって言ったでしょ?なのに使おうとした、そんなわっちゃんへの天罰なんじゃないの?」
「天罰……か」
「私はこっちの新しいやつ使うけど、今度こそ奪おうとしないでね」
なおも私を注視し続けるわっちゃんを無視して予備分の薬の瓶を出し、その錠剤を飲み込む。けれどそろそろ効くであろう頃合いになっても頭はしゃきっとするばかりかふわふわと浮ついていて、どこか心地のよい倦怠感が全身を支配していった。
そういえばいつも使っている薬の瓶と色が違うような気がしたけれど、ラベルにはいつも通りエーアガイツ製薬と書かれていたし、どうせこの違和感も気のせいだろう。
「……神山?」
「ぁ……わっちゃん……?」
わっちゃんがこちらを覗き込んでいるのに気づいた私は、慌てていつもの澄ました笑顔を作ってみせる。けれどすぐにその頬は緩んで、とろけるような甘さを含んだ笑みを浮かべてしまった。
ああ――もしかしたら、私は間違えて違う種類の薬を買ってしまったのか。いつも通りネットショップで購入した覚えはあるけれど、それがいつもの薬と同じだとはよく確認していなかったかもしれない。
「ねえ、わっちゃん……これ、なんか……へん……っ、」
頭がふわふわして、体は燃えるように熱い。いつもはこうなることなんてないのに心臓の鼓動も激しくて、もう立っているのすらつらくて目の前のわっちゃんに思わず縋りついてしまう。そんな私を受け止めるように、彼はさすがの体幹で優しく抱き留めてくれた。
頭の中がぐるぐると回るような感覚で、どうにかなってしまいそうだ。けれど、もっと触れてほしい。この熱を冷ましてほしい。
縋るように服の裾を掴めば、わっちゃんはそっと私の首元に触れた。
「……大丈夫か?」
「だめかも……熱くて……苦しいの……」
「そうか。なら、」
「わっちゃん……助けて……?」
何かを言いかけた彼にしがみつき、助けを乞うように見つめる。
幸い今はテスト前で周りは既にそれぞれの部屋へと引き払っているため、ここにはなぜか残っていた私とわっちゃんしかいない。そもそも私がクラスの女子に遠巻きに噂されることこそあれどつるむことはなかったし、ましてや一緒に帰ろうなどと言い出すことも言い出されることもなかった。
誰も、この静寂を脅かしたりなどしない。
「助けて、と言われてもな……とりあえず、寮の自分の部屋に戻るか?」
「ん……それまで持つかな……?」
「なら、どうすればいい?神山が苦しがっている光景は見ていて嫌だし、俺にも何かできることがあるのなら何でもしたいんだが……」
「そう……なの?じゃあ、私が触ってほしいって言ったら、触ってくれるんだ……?」
頭がふわふわして、もう何も考えたくない。体を動かすこともつらくて、ただただわっちゃんに縋るように擦り寄っている。
そんな私を哀れに思ったのか、それとも他の感情があったのか。彼は私の頭を優しく撫でてくれて、そっと空き教室へと導いてくれた。
***
わっちゃんとこうするようになってから、何年が経つだろうか。
私の周りはクラスの子達のように私を遠巻きに見るか、あるいは興味本位で踏み込んでもどうせ向こうから逃げていくかばかりで。どうせわっちゃんのことを好きかどうかも、好きという感情すらもわからないままただ彼といる癖がついてしまっているだけの私だから、わっちゃんが特別というよりはたまたま他の人達とはそういう関係にまで発展しなかっただけなのだろう。しようと思えば別に抵抗なんてないし、今の時代『白鳥沢のJKとやれる』なんて聞いたら男の人は飛びついてくるのだろうけれど、あえて私の方から求めるほど飢えているわけでもない。
それに、わっちゃんは一緒にいて割と心地いい相手だった。単に母親同士が知り合いということで出会った幼馴染だからなのか、人にあまり踏み込んでこないような彼の性格がそうさせているのかはわからないけれど、彼と一緒にいる空間はどうしようもなく生き心地がよかったのだ。
「……神山、」
わっちゃんがどこか切羽詰まったような声で私を呼ぶけれど、もう全てがどうでもよくなってしまっている。誰でもいいからこの熱をどうにかしてほしい、その気持ちが彼にも伝わったのかもしれない。
もう薬の効果が全身に回ってしまっていて、頭は真っ白だった。ただこの火照った身体をどうにかしたいとそれだけを考えていて、私はわっちゃんの制服の裾を引っ張った。
「ね、わっちゃん……ここ、苦しい……♡」
「っ……だが、」
「さわって……?♡」
懇願するように見つめてみれば、わっちゃんは途端に顔を真っ赤にしてこちらを見下ろした。
私と2人のときしか見せない顔。薬も何も使っていないはずのわっちゃんがどうしてこういう顔をするのだろう、なんて考える前に彼の右手は私を支えるように背中に伸びていて。
「……**」
熱の籠もった声で名前を呼ぶわっちゃんの意図は、彼とこうしていく中で徐々に覚えこまされた。こういうときに私のことを名前で呼ぶようになったのは部活仲間だという天童くんからの入れ知恵も多分にあるだろうけれど、この声が私にとっては一番効くことを彼も知っているのだろう。
そっと顎を上げれば、それを合図とするかのように唇に唇が重なる。
「わっちゃ……っ、♡」
「ん……**。少し、口を開けるか?」
「ぁ、?……こう、?」
言われるがまま僅かに口を開くと、開いた隙間からわっちゃんの舌が入り込んでくる。まるで別の生き物のように私の口内を這い回り犯していく彼の舌は、私の舌を捕えてすぐにそのまま飴でも転がすかのように絡みついてきた。
舌と舌が絡み合いざらざらとした感覚が広がっていき、脳をじくじくと犯していく。昨日学食の新商品だからと適当に頼んだたらこバター丼を食べたときにたらこの一粒一粒が舌にまとわりついたような、そんな感触にも少し似ているのかもしれない。
「っ、は……んんっ……っ、♡」
息が苦しくなって唇を離せば、お互いを繋ぐかのように銀の糸が垂れる。熱に浮かされた頭でまともに考えることもできないまませがむように彼の制服を引っ張ればそれを合図に私の背に手が回され、座ったまま壁にもたれかかる体勢を取らされた。
どうやら、私の身体に既に力が入らなくなっていることを、彼はとうに悟っていたらしい。
「わっ、ちゃ……んんっ……♡」
「……すまない。楽にしてやるつもりだったが……余計に苦しめてしまったな、」
首筋から鎖骨へと降りていくわっちゃんの唇の感覚に身を委ねていれば、彼は私の制服のリボンを外し、それからボタンをふたつほど外す。そうして露わになった首元にそっと唇を落とされ、そのまま強く吸い上げたり甘く噛んだりと刺激を与えられるうちに、体の熱はむしろ高まっていくばかりで。
熱を逃がす場所を求めれば求めるほど、身体に熱が籠もっていく。楽にしてもらっているはずなのに、なおも全身は疼きに苛まれるばかりで。
「や、あ……っ、♡わっちゃ……っ、もっと……♡」
「どうした?」
「もっと……もっろ、さわって……♡」
「……ああ。お前が、楽になれるまで……」
ゆらりゆらり、ぐらりぐらりと視界が揺れる。思考回路さえも熱に浮かされてしまったのか、進学校の生徒としていつも必死に使っているとは思えぬ程ろくに回らなくなっていた。
婿養子として母親の意見を聞く父親の姿を幼い頃に間近で見ていたからなのか、こういうときのわっちゃんはどうも私に傅いているように見える。けれどただ優しいというわけではなく、乱暴さこそないものの私を暴く手つきに遠慮はない。少なくとも、私を楽にさせる以上の意図を持っていることには何となく気がついてしまうくらいだ。
けれど、私はそれでもよかった。元々見られることを恥じるたちではなかったし、それに今は暑くて熱くて、ただどうにかしてほしかったのだ。
「脱がすぞ、」
「ん……♡」
「……相変わらず白いな。マネキンみたいだ、」
返事の代わりに軽く頷けばセーターを脱がされ、そのまま脱がしかけだったブラウスの残りのボタンもひとつひとつ丁寧に外される。そうしてブラジャーの上にブラウスを羽織っただけの状態になった今は通気性こそだいぶ改善されたものの、身体を苛む熱はちっとも緩和される気配がない。
そういえばこの間美術部の2年生達に絵のモデルになってほしいと頼まれたときにも、マネキンみたいだと評されたか。褒めているであろうことは伝わるし、困ったのはお礼に何をしてほしいかと訊かれてなんと返したらいいかに迷ったことくらいだったけれど、言われてみればそうだ。その手を、熱をもって私を人間にしてくれる、そんなわっちゃんがもし側にいなければいずれ私はマネキンとして生を終えていただろう。
私が人間として熱を持っていく過程を、観測者たる彼だけが知っている。
この学校を卒業したあとの彼には、プロとしての生活が待っていると聞いた。あるいは、その過程で海外にでも飛んでいってしまうかもしれない――ならば、私は彼といられる残り少ないであろう期間の中で、どこまで人間に近づけるのだろう。彼の刻み込んでくれる感覚を、果たして私はどこまで享受することができるだろうか。
「や、あっ……そこ、くすぐった……っ♡」
「くすぐったい?なら、やめるか?」
「やめ、ない……♡もっと……もっとさわって、♡」
「っ……ああ、」
露わになったブラジャーもずらされ、私の胸は完全に外気に晒される。
存在を確かめるように私の肌に触れたわっちゃんの手は、火照った体には冷たくて気持ちがいい。それなのに、私の身体はその冷たさにすら感じてしまうのか、ぴくりぴくりと小さく跳ねていた。
熱に浮かされながら必死にそう訴えれば、彼はごくりと喉を鳴らして私の胸に触れて。少し力を弱めて胸全体を揉みながら時折中心の突起を指で転がすように触れられれば、快楽を欲している今の状態下では与えられる刺激にどうしても反応してしまう。
「あっ、ぁ♡わっちゃ……っ、んっ♡」
「気持ちいいか?」
「ん、きもちい……っ♡」
「そうか。なら……ここも、触れても構わないな?」
私の返事を聞く前にスカートの中にわっちゃんは手を滑り込ませれば秘部に触れて、ショーツの上から形をなぞるようにして指を動かされる。胸への刺激だけですっかり熱くなり始めたそこは少し触れられるとぐちゅりと水音を響かせて、私よりも私の身体を理解している彼がそれを見逃すわけがなかった。
反射的に身を捩れば、それを咎めるように今度は軽く爪を立てられる。微かな刺激だったけれど、散々焦らされていた身体には十分すぎるほどの快楽で。
「ふぁ、あっ♡あっ、あぁ……っ、♡」
「これなら、脱がした方がよさそうだな?」
「ぅ、んっ……っ、♡」
「**。少し、腰浮かせられるか?」
私の返事を待つこともなくスカートの中に手を滑り込ませるわっちゃんの言葉に、私は促されるがままに腰を浮かせた。器用に抜き取られたショーツをセーターの上に丁寧に置くのがわっちゃんらしいなとぼんやり思った瞬間、彼の手は私の秘部を直になぞり始めて。
指先で突起をぐりぐりと押したり、指の腹で撫でたり、時折軽く弾いたり。そんなふうに繰り返し刺激されればあっという間に熱を持ち始めてしまって、おそらくは今与えられた快楽も全て私の中に蓄積されるのだろう。
「ぁっ……ん、ぅ……♡」
「大丈夫か?」
「ぅ、ん……もっと……♡」
「ああ。もちろんだ」
彼の問いに首を縦に振ると、ゆっくりと指がナカへと侵入してくる。
自分以外の手指が入るという異物感も、それを自分で制御できない不安も、何度経験しても同じことだ。同様に、このあとにもたらされる快楽だって、私は知ってしまっている――それがわっちゃんだからなのか、他の人相手でもそう変わらないのかまでは、彼しか知らない私には知りようがないけれど。
「っ……んん……っ、ぁ♡」
「熱いな、」
「んっ……♡わっちゃんも、あついの……♡?」
「ああ。**のナカ……溶かされてしまいそうで、少し怖いくらいだ」
私のナカに入れた指をゆるゆると動かし始めて。媚薬の効果もあってかいつもより敏感になっているらしいそこは少し動かされるだけでも快楽を拾って、ぐちぐちという水音が教室に響いていく。
弱いところを執拗に擦られてしまえば勝手に腰が動いてしまって、その度に彼の指は私の弱点を的確に突いてきて、私はそのたびに嬌声を上げるしかできない。
「ふぁ、あっ♡わっちゃ……そこ、きもちい……っ♡」
「よかった。……このまま、一度楽にしてやる。そういう約束だからな」
「ん、んんぅ……っ、♡ゃ、あぁあ……ッ!♡」
ぐちゅりと音を立ててそこを掻き回されてしまえば頭の中が真っ白になって、びくりと体が跳ねる。どうやら私は達してしまったらしい、と脳が理解したのはそれから少し経ったあとだった。
達した余韻に浸りつつも、彼が与えてくれる快楽を享受するべく私の意思とは関係なしに勝手に動く身体はまるで自分のものではないようだ。けれど不思議と嫌悪感はなく、むしろ彼に縋りつくように抱きつけば彼はそれに応えるように何度も私を絶頂へ導いてくれる。
まだ熱を持て余すばかりの身体でもう何度目かもわからない絶頂を迎えれば、すっかり蕩けた私の秘部は彼の指を咥えこんで離さない。達した回数などとっくにわからなくなってしまったまま、それでも豆を年の数ほど食べるはずが数えられなくなってしまった子供のように、私は貪欲に続きをねだる。
「……そろそろいいか」
「?いい、よ……♡」
小さく首肯すればゆっくりと指を抜き取られ、それから自分の制服のネクタイを解いて私の目を覆い隠していく。しばらくしてゴムをつけ終わったのか、硬く鍛えられた筋肉が膝下に当たる。向かい合わせの状態のままわっちゃんの膝上に乗るように誘導されたらしい。
慣らされきった秘部にゴム越しでもわかるほど熱く張り詰めたそれを擦り付けられ、それだけで身体はびくりと反応してしまう。
「大丈夫そう、だな……」
「うん……っ♡いっぱい、はやく……♡」
ぐっと腰を引き寄せられれば、そのまま確かな質量をもって内側から貫かれる。慣らしに慣らされたおかげか痛みは全くなく、むしろ薬で普段より敏感になっている私の身体はそれだけで軽く達してしまいそうだ。
いつもは拒むことこそなければ求めることもせずただ与えられるそれを享受するのに徹している私だけれど、今日は自分からも求めるようにわっちゃんに抱き着いている。いつもの私しか知らない彼からすれば不自然に見えるだろうけれど、カレーを食べたあとに水を飲みたくなるのに水自体が好きかどうかはあまり関係ないのと同じで、好意とは別の本能的な部分が働いているのだと思う。
「はーっ……ふ、ぅ……っ♡あっ、あ……わっ、ちゃ……♡」
「**、大丈夫か……?」
「ん、だいじょぶ……っ♡だから、もっと……っ♡」
「ああ。いくらでもしてやる」
私の反応を見ながらゆっくりと腰を動かすわっちゃんの首に腕を回せば、それを合図にしたように少しだけ律動が早くなる。
痛みなど、もうとっくに感じない。媚薬がもたらした熱さと快楽に蕩けた頭で、私はただこの行為にらしくもなく溺れるだけだ。こうやって触ってもらうたび深層に潜んでいるであろう本能を引きずり出され、同時に私は少しづつマネキンから人間へと近づけさせられるのだ。
「っあ、ぁ……ッ!♡ゃ、あぁあ……ッ!♡」
「ぐ、ぅ……っ、」
ぐりぐりと弱点ばかりを攻められればまた容易く絶頂を迎えてしまい、それに反応したのか少し遅れてゴム越しに熱いものが吐き出される。わっちゃんの支えがなくなり身体から力が抜けてしまえば、そのまま再び壁に寄りかかる形にさせられて。
絶頂を迎えたばかりで敏感になっているナカは引き抜かれるだけでびくりと震え、その僅かな刺激ですら達したばかりの身体には快楽として伝わってきた。
「その……ありがとうね、楽に、してくれて」
「構わない。**、立てそうか?」
「ん……ちょっと、待ってもらうかも……」
「そうか。とりあえず制服着て……その前に、これも解いてやらないとな」
しゅるりという音と共に、視界が開ける。眩しさと共に目に飛び込むのは空き教室の景色と、ワイシャツのボタンを開けた状態のわっちゃんの姿だった。
ボタンを留めていく彼を横目に、丁寧に脱がし置かれていた状態のショーツを履き直す。それからブラジャーを付け直し、ブラウスもセーターも着直して――もう既に裸を見られている関係ということもあり、今更恥じらうことも何もない。
ぬるくなって炭酸の抜けたサイダーを捨てたらもったいないという理由だけで喉に流し込むような、生温かく重たく流れる時間の中。ああやはり媚薬を使っても私は人間にはなりきれないのだと悟った、けれど確かにまたひとつ何かを得たような気もした。