ここ…どこだ?

真っ暗だ。上も下もどこもかしこも。
ボッと音がして、目の前に青い火の玉が現れた。

『ヤット会エタナ…我ガ息子ヨ』
「…おまえ…だれだ!」
『息子ヨつってんだから、パパだろが!頭の悪いクソガキだなァ…』
「うっせぇ!」





「ねぇ、おとうさん…にいさんは?」

静かにそっと抱きしめてくれる神父の腕の中で、不安そうに雪男は問う。

燐が逃げ出したあの日、燐はトラックに轢かれてしまった。燐の後をすぐに追いかけていた雪男は真っ赤になっている燐の姿を見た。頭から血をダラダラ流し、内臓は破裂、肋骨や手足も複雑骨折を起こしてあらぬ方向に曲がった姿だった。即死してもおかしくない程なのに、燐は生きていた。神父さんがすぐさま携帯電話で叫べば、ピエロのような格好の背の高い男が現れた。そして、ピエロがなにかを唱えればそこは病院だった。集中治療室での迅速な治療が功を奏し、燐は一命をとりとめた。

一週間後、燐は帰らぬ人となってしまった。看護師が青い炎に包まれて消えたところを見たという。

狗の雨宿り×