「一人かい、ぼく?」
声を掛けてきたのは見知らぬ白衣の男だった。逃げようとブランコから降りると
「奥村雪男くんのお兄ちゃん…の燐くん、だよね?」
「アンタ、誰だ?」
「ああ、ごめんね?僕は白鳥一…研修医っていっても分からないか…えーと、お医者さんのひよっこってとこかな?」
「しらとりはじめ?」
そんな名前は聞いたことがないと首を振る燐に対し、一は雪男の担当医に師事しているという。
「さっき雪男くんの病気が悪化しちゃってね」
「ゆきおが!」
急いで帰ろうとする燐の手首をがっしり掴み一は引き留めた。
「待って燐くん、雪男くんを助けるためには君の協力が必要なんだ」
一に連れ込まれたのは雪男が通院している近くの研究所らしき場所だった。真っ白な部屋にベッドが一つだけの個室に案内されベッドに腰掛けているようにとぽんっと座る。
「燐くん、君は今から雪男くんを助けるために細胞提供出来るかどうかの検査をしてもらうよ。いいね?」
いつの間にか、数人の白衣の男達に囲まれていた。異様な雰囲気に圧倒されながら燐は一にこくりと頷いた。髪の数本を切られたり頬の内側を綿棒で擦られたりした。
「これを飲みなさい」
淡々と告げる一に促されるまま、差し出されたグラスを飲む。
「うえっ…なんだよこれぇ」
思わずむせるくらいの甘い液体に悪態を漏らしつつ、むっと睨んでしまう。少し困ったように笑った一が、説明する。
「燐くんのおしっこを採って調べるために水分補給だね。さ、お着替えしようか燐くん」
「…うん」
急に体が重たく感じて、何をする気もなくなってしまった。数人に囲まれたまま、服が脱がされ産まれたままの姿にされる。前をヒモであわせるローブを羽織らされ、手首に脈拍を計るためらしいバンドが付けられたり、首にはネームプレートが付けられた。恥ずかしいと思っても体が動かない。
「それじゃ、おしっこしようか」
そう言った一の言葉を合図に、一の両脇に立っていた白衣の男二人に両側から足を拡げるように押さえ付けられた。産毛しか生えていない秘部が白衣の男達の前にさらけ出される。
「や、やだっ!」
暴れようとしても手足は動かず、骨ばった一の手によって燐の小さな性器は搾られた。
「や、や!でちゃ…ひっ」
びくんと跳ねた燐は、そのままじょろろ…といつの間にか宛がわれた紙コップへと放尿させられていた。
「う…うっ…ひ…ひっく…」
大人達に囲まれての強制的な放尿は幼い心にも衝撃が強く、燐の目からは大粒の涙が零れた。震えるように大きくしゃくりあげる燐をよそに、一は尿の入った紙コップを近くの白衣に渡した。渡された白衣はすぐに調べるのだろう部屋を出ていった。一は手際よく燐の性器を暖かい濡れタオルで綺麗に拭ってくれた。気が付けば燐の体は倒されていた。尻を突き出すような格好で後孔に軟膏を塗り込められ、中に毛玉が入れられた。
「こことここ触っちゃダメだよ」
「ちくちくするし…すーすーしてやだぁ」
一瞬だけ泣き止みかけていた燐は、体を蝕むような刺激にまた泣いた。一が指し示した性器と後孔は爽やか過ぎる感覚に襲われ、後孔の中は毛玉の毛が刺さって痒みを燐の体に与えた。ぐったりとしながらも手を伸ばした燐の手を頭の上で縛り、一と白衣の男達は燐を残して部屋を出ていってしまった。
「やあ…っ…あんぅ…とってとって!これとって!」
爽やかな感覚は段々と熱さに変わっていき、中は痒みが増して掻きむしりたいと体をベッドに擦り付けた。
数時間後。一が見たのは、軽く焼け焦げたベッドの上で後孔を掻き回して性器を弄っている尻尾を生やした小さな子供の悪魔の姿だった。
「ああ、やはり僕の目に狂いはなかった」
暗い欲望だけがその瞳に宿っていた。
季節の移り変わりすら分からない部屋での生活に、変化がきたのは突然だった。
聞こえてきたのは…
→優しい声
→銃声
→扉のノック音
→乱暴に扉が開く音