舞台詳細

 七つの舞台の詳細一覧です。市町村ごとに分かれています。

朱鷺坂市

駅:朱鷺坂駅 規模:大・都会

 「探偵組合」の本拠地が存在する謎が謎を呼ぶ不思議な大都会。何故か頻繁に事件が起きる某県におけるヨハネスブルグ。

 歩けば事件に巻き込まれ、登れば事件に吸い寄せられ、座れば事件がやってくる。明らかにマイナスイメージが拡がってもいいほど様々なことが起きているが、何故か全国的に有名にはならず、他所には都会と言う認識しかされていない。危ない場所など誰も思っていない。住んでる人々もこの事件発生率を普通だと思っているため、特別違和感を持つこともない。そんな場所。

 しかし、その事件率の多さに比例し探偵や何でも屋と言った依頼を受けて事態を解決する職業に就く人々は少なくない。特に私立探偵は、自由な行動を取れる分頼るものも多く人気職である。

 彼らは探偵としての組合、所謂裏ギルドのようなものを作り情報の共有をしている。その為、分野違いの仕事が舞い込んだ際は別の探偵を紹介されることもあるようだ。時折組合に参加していない私立探偵も存在するが、たいていの朱鷺坂で活動する探偵はここに属している。

 朱鷺坂で揃わない品はない、と言われるほど物品が豊富であり、困った他市町村住民が他では売っていない何かを求めてやって来ることも少なくない。

 美術館や博物館、植物園に動物園、水族館、大きな図書館と言った娯楽/公共施設も多い。ほんとうに「なんでもある都会」と考えて問題ないだろう。

 誰烏寄りの朱鷺坂の端にはカルト集団の本拠地がある。これは限られたものしか知らない。彼らは偉大なる神「ヨグソトース」を信仰しており、かの神の復活を目論んでいる。その規模はたかだかカルト集団だと侮れるものではなく、今や各地にその信者を増やしていた。

 かつては離島「神無島」に多大なる資金をつぎ込み実験施設を建立していたが、現在は配線となったため使用はしていない模様。代わりに誰烏の地下基地を使い、何やら夜な夜な怪しげな儀式を行っているようだ。

誰烏市

駅:誰烏駅 規模:中・都会

 研究家や科学者の集う文化発展の近未来都市。市の方針で科学の推進に全面バックアップが行われている。

 科学技術が飛躍的に進歩した近未来都市。朱鷺坂とは別の意味でまた大都会だと言えるだろう。この世のものとは思えない技術によって進みすぎた科学は都市に多いな異変をもたらし、今では誰烏はどこを見てもサイバーな雰囲気を醸し出している。研究に対する手厚い支援を行う権力者や行政機関の方針のバックアップにより、資金面にネックが無くなった科学者が多く在住している。また、この都市の住人の使う機械は最新機種な事がほとんどである。

 ただ、ここまで独自の進化を遂げているというのに世間で騒がれることは全くない。まるで何かに規制されているかのように。時折SNS等で都市の様子を騒ぎ共有する他所から来たものがいるが、暫くするとまるで「何に興奮していたのか分からない」といった様子で共有メモを消すようだ。つまり、この光景に馴染み、当たり前だと認識するようになるということである。

 同時に、何かがおかしいと気が付くものも存在する。しかし、彼らがどうなったかはわからない。どうなったかを知ることもないだろう。

 この都市はイスの大いなる種族が齎した知識と技術によって発展した。本来、精神交換は秘めやかに、かつここまで大規模になることなどありはしないが、とあるイス人が精神交換による知識の収集を行っていた際、何らかのトラブルに見舞われ持てる知識が広がってしまったことに由来する。同胞たちの隠蔽工作も虚しく、現在の誰烏市は近未来都市として発展してしまった。しかし危惧していた全国化は起こらず、権力者はその技術を独占するために他地域にこの知識が広まることを良しとせず、イス人の知識技術は誰烏市が抱え込むこととなった。

 権力者の協力体制により、以前よりも断然精神交換が容易となったため、イス人たちも利用するだけ利用することにしたようだ。

 その技術によって作られた地下部、シェルターのような基地は現在ヨグソトースを信仰する教団に使用されているらしい。真夜中、特定の場所にいけば、夜な夜な儀式をしている彼らの声が漂ってくるかもしれない。

宵ヵ崎市

駅:つつじ駅 規模:中・過疎

 古くからの街並みをそのまま残し続けている芸術の町。入り組んだ複雑な街並みでは迷子にならない者の方が少ない。

 宵ヵ崎市はごくごく普通のまちだ。家が並び、店が並び、公園があり、役所があり、どこからどう見ても変わったところなどない一般的に想像される「町」そのものである。

 しかしほかと少しだけ違うのはあまりにも入り組む道だ。かつて、それこそ戦国の時代頃に敵の方向感覚を失わせるためわざわざ迷路のように設計したのではないか…と言い伝えられるほどに、宵ヵ崎市の道々は初見のものを追い返す。右に進めば行き止まりが。左に進めば先程と同じ道のりが。宵ヵ崎に住む市民の手助け無しに、初めての来訪で目的地に辿り着くのは至難の技だろう。これぞ、まちぐるみの「一見さんお断り」だ。

 これは市民の間に交わされる暗黙の了解。宵ヵ崎市のはずれにある大きな古井戸、そこは沢山の御札や注連縄によって厳重に封印されている。迂闊に近づいてはいけない。触ってはいけない。もしそのなかのものに目をつけられたりなんてしたら、それこそ──

 不思議な話を聞く。真夜中、月だけが見つめるその井戸が、ときおり封印など無かったことのように空いているなど。そんなのはふざけた子供の噂話だろう。

 だからきっと、最近人がふらりと消えることなんて、あの井戸と関係ないのだ。…ないはずだ。

 宵ヵ崎市はアイホートが巣食う地下迷宮の姿をしている。これを作ったものは夢に見たのか、はたまた迷宮から逃げてきたのだろうか。寸分くるわずアイホートの巣の形を模したまちは、運命に導かれるようにしてアイホートの巣と繋がりを結んだ。その「つなぎ目」こそはずれの古井戸である。井戸の蓋を開けばすぐに、アイホートによって本物の迷宮に引きずり下ろされるだろう。

 近年は何かのきっかけかを挟んだことによって迷宮との繋がりを深くしており、アイホートに呼ばれた人間がふらりと古井戸の中に身を投げる事件が多発している。しかし真夜中であること、古井戸に誰も近づかないことが合わさって、人々は行方不明だと認識しているようだ。

霊命町

駅:霊命駅 規模:中・過疎

 事故物件の多い不気味な町。曰くつきの場所に溢れており、町全体をホラータウン扱いされることも。

 怪異蔓延るホラータウン。幽霊が視える人達がいっぱいいる、などと言った噂が流れているが、実際ゴーストハンターを名乗るものが多いのは事実である。尋ねる分や通る分にはなんの問題もないが、住居を構えた途端、見えざるものが見えるようになったり特殊な事件に巻き込まれたりするらしい。死んだ霊は霊命に集まる、と言った噂もある。ホラー・オカルト界隈ではかなり有名な町らしい。
 都市伝説が多く存在し、それが実在することがよくある。また言霊が大きく反映しやすい町なので、軽い気持ちで口にしたことが本当に起こってしまった、ということも少なくないようだ。
 また町内には何故か破棄されない廃墟や廃屋が多く存在し、立ち入り禁止区域になっている場所もある。そんな町なので、不可解な事件が多いと言うかむしろ不可解な事件しか起こらない。霊命の警察たちは全力で事件の真相を追うが、やはり真なる解決は難しいようだ。そのため霊命町にはゴーストハンター、警察といった職種につくものたちが多く在住している。
 しかし、最近は若い年齢層たちがほぼ便利な誰烏や朱鷺坂に出稼ぎもとい転居してしまうため、町全体の平均年齢層が高まっている。歳若い者は戦力として重宝されることが多々あるだろう。
 中央区に聳え立つタワーマンションにはいわく付きの特に変わり者な人達が住んでいるとかいないとか。
 珍しく神話的な何かが色濃くない町。しかしその代わりに霊関係の色はかなり強い。むしろホラー要素によって神話要素を追っ払ってる可能性がなきにしも非ず。もちろん神話要素がゼロなわけはないので、時折そういった事件も起こるらしい。
 他の市と違い情報規制は全くされていないため、そこそこ全国的に有名。主にホラータウンとして。しかし訪れるだけならば特に何も無く普通のちょっと廃れ気味な町なので、一時期流行したもののすぐに鎮火したようだ。

黄惺町

駅:黄惺大学前 規模:中・都会

 「黄惺大学」を中心として栄えた学生街。様々な知識が集う幻の図書館が存在するらしい。

 黄惺大学を中央に置き、学生向けの店ができたり関係者の家が建ったりなど、大学を中心に栄えた学園都市。周辺の店はコンビニやスーパーは勿論だが、どんな学部のどんなニッチな実験道具も揃うような店も乱立している。というか各学部ごとに専門の店が存在するし、学割もかなり適応される。また、一般にも解放されている大学付属図書館は品揃えが圧巻なので、何か困ったことがあったら一度は訪れてみてもいいかもしれない。
 大学の偏差値は某有名大学と同じくらい高く、この大学に存在しない学科学部は存在しないと言われるほど学びに対して力を入れているところからかなり有名な大学。教育目標は、多様な視点を有する広い専門性を持った実践的人材(学部)と高い応用力と発想力を有する高度専門職業人(大学院)の育成を促進する。
 付属の高等学校が存在し、アメリカのマサチューセッツ州には姉妹校も存在する。
 この大学は神話的知識を記録しておくための、言うなれば魔術の集積所である。一定以上の地位にいる人は皆、大なり小なり神話的な出来事に触れたことがあり、助言を求めた場合は適切な神話的指示をいただけることだろう。
 そしてこの大学付属図書館にこそ神話的知識が収集されていると言われている。いわゆる秘密の部屋が存在し、そこへの道は図書館長のみが知っている。
 図書館長は魔術の神秘に触れることを生きる意味であると確信しており、知識を収集する為ならば手段は問わない。普段は排他的で素っ気ない様子だが、とある基準を満たしていれば(勝手に)弟子であると認定され、アルデバラン第四恒星に存在する図書館に連れて行ってもらえる

長夜村

駅:長夜駅 規模:小・田舎

 過去の栄華の残り香が漂う大自然に囲まれた小さな村。目当たらしいものは何もないが、何故か訪れる者が後を絶たない。

 自然に囲まれた土地。土地が広いので天文台や科学館など大学付属の施設が建設されている。少し前に新たな彗星を発見した学者のあれそれで話題に上がったが、学者含めて多くの者が村唯一の総合病院に搬送され入院となっている。
 ここでは何が起こってもおかしくない。ここで起こったことは全て自然現象で片付けられる。
 自然豊かな環境から観光に訪れるよそ者も少なくない。しかし観光スポットが多いでもないのに、一度訪れたよそ者は高確率でまた長夜村に来る。中には引っ越しする者もいるとか。
 そんなに魅力的な場所だったのかと聞かれた場合全員が口をそろえて、「何もない田舎だった」と答える。なので世間的な印象では、都会の生活に疲れて田舎を求めた結果長夜村に辿り着いたのだろうと思われている。
 今は廃線となっているが、神無島と唯一通じる道がある村。なので神無島出身の者が離島に余計な人が来ないようこの村に色々な細工をしているらしい。噂では線路以外に離島へ通じる道があるとかないとか。
 この村に昔から住んでる住人は無意識にそういう現象から目を背ける術を身につけているが、好奇心旺盛なよそ者は深淵を覗いてしまい、魅入られてしまう。
 この村に昔からある言い伝え。
 黒い肌の子どもには近づいてはいけない。

神無島

駅:かみなし島 規模:大・無人島

 今は廃線となり遠く離れた存在となった島。大きな研究施設が存在するが、何の研究を行っていたかは不明。

 周囲が断崖絶壁で囲まれており、線路が通る場所以外から上陸できないと言われている。戦時中に非人道的な実験を行っていたとか国家機密の何かがここに運ばれてたとか色々きな臭い噂が絶えず、そういったマニアに大人気の観光名所だった。そして実際に行ったっきり帰って来なかった観光客も少なくない数おり、国が大規模な捜索を行った事もあったが何も発見できず。こういった出来事も噂に拍車をかける要素となっている。
 しかし十年前に発生した自然災害で線路が崩落。行方不明者も多く観光地としても赤字運営だったためそのまま放置され、今では誰も訪れない場所となっている。
 最近になってここが活火山ではないかという話も出ている。というのも、この島から煙が上がっているという情報があったからだ。しかしこの目撃情報は一度きりで、地震等もないため気のせいだったのではという意見が多い。
 現在朱鷺坂市で活動するカルト教団がかつて拠点としていた離島。一目につかないという理由から選ばれた場所だったが、観光地として有名となりすぎてしまった為不便になり、線路が崩落した事で完全に放棄されている。
 実験生物や資料も必要分以外は全て放置された結果、この島独自の生態系が築きあげられている。彼らの目的は、我らが父を招来させ共に教団へ復讐すること。
 また、過去に軍事施設として利用されていたというのは一部本当で、当時の遺物が島のどこかにあるとかないとか…。