学力テスト前の休日

入学してから1週間が経とうとしていた。
星野と松田と萩原は松田の家で勉強道具を広げて絶賛勉強中だった。
なぜなら、講義のお試し期間、サークル仮入部期間だけではなく、入学後の力試し学力テストが来週の月曜日に午前中からあるからだ。
3人は時々話しながらもそれぞれの勉強を行っていた。

『奏ちゃん達も一緒にできれば良かったのにね』
萩「さすがにこの部屋で6人全員が勉強道具広げたら狭いしなー」
『あの3人って休日何してるか謎だよね』
松「諸伏何してんだろうな?」
『え!?なんでニヤニヤしてるの?』
萩「まだ自覚してないかー」
『え、何の話!?』
萩「さて、何の話だろうね?」
松「諸伏のこと好きなんだろ?」
『えっと、好きとか、そんなんじゃないけど…気には…なってる、かな』
萩「あれ、思ってたより自覚してた!」
『え、酷い!それよりちゃんと勉強しよう?松田くんも携帯ばかり触ってないでさ』
松「あー…、これ隣に届けてからするわ」
萩「え、なぜに味醂」
松「味醂ないから貸してって連絡きた」
『隣の部屋の人と連絡取り合ってるんだ!』
萩「なになに、女の子?」
松「…秘密」

松田はフッと笑ったあとに味醂と携帯片手に部屋を出た。

萩「え、じんぺーちゃんどうしちゃったの」
『こーいーしちゃったんだ、たぶん?』
萩「気付いてないでしょー?…いや、まさか!だって最近よく奏ちゃんの事気にしてたし!」
『そ、そうだよね!!…気になるね』
萩「…見に行く?」
『バレちゃうよ?』
萩「だよなー」

萩原と星野は諦めて勉強を再開した。
そして松田は部屋から出て15分後に戻ってきた。

『おかえり!遅かったね』
松「話してたからな」
萩「なに嬉しそうな表情してるんだよ」
松「してねぇよ。勉強するんだろ」
『う、うん、ちゃんとやらないと月曜日泣くことになっちゃう!』

3人は再び勉強を再開し、それは夕方まで続いた。

萩「つっかれたー!」
『久しぶりにこんなに勉強したー』
松「こういうの受験前以来だな」
『本当だね!』
萩「お腹すいたし、どこか食べいく?」
松「あー…悪い、先約ある」
萩「そっか、葵ちゃんは行ける?」
『行けるよ!』
萩「じゃあ行こう!また来るよ、松田」
『今日はありがとうね』
松「おう」

萩原と星野はお礼を言うと松田の家を後にした。
そして2人はファミレスに向かっていると見知った顔を見かけた。

萩「あれ?諸伏だー」
景「あ、萩原…と星野」
萩「松田家で勉強してただけだから!3人で!!だから怖い顔やめて!?」
『景光くんは何してるの?』
景「おつかい」
萩「『え?』」
景「零から頼まれた物を買いにスーパーに向かってるだけ」
萩「あのさ、諸伏」
『…スーパー向こうだよ?』
景「…まじか」

萩原と星野は諸伏を放っておけず、一緒におつかいを済ませた。
そして降谷の家に諸伏を送り届けた。
萩原と星野は「どうせなら食っていくか?」という降谷の言葉に甘え、4人でご飯を食べてから解散した。



続く