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まさか、こんなところで会うとは思っていなかった。

独歩は某病院にて、待合室で自分の順番を待っていた。

棗「あれ?独歩さん?」
独「千手さん!?」
棗「独歩さんもこの病院かかりつけなんですか?」
独「ええ、まあ」

こんなところ、よりによって会社の中の癒しである彼女に見られたくなかった。
これも訪問の帰りに病院に寄った自分のせい。
今日ばかりは悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。
どうして今日に限って…。

棗「独歩さん!…独歩さん!」
独「はひっ…」
棗「あ、戻ってきた。呼ばれてますよ?」
独「ああ、すまない」
棗「そこはありがとうですよ」
独「そう…だな。ありがとう」
棗「どういたしまして!私はもう診察終わったのでお先に失礼しますね」
独「ああ、お大事に」
棗「はい。独歩さんもあまり無理し過ぎないでくださいね」

独歩は去っていく棗を見届けると、立ち上がって呼ばれた方へと向かった。






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