追憶.チェックメイト
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ドリームアイドルフェスティバル、通称ドリフェス。
最近ではライブ形式が変わり、2組のアイドルユニットがライブ中に歌や踊りの技術を競い優劣を付けるライブが主となった。
なぜならばドリフェスへの参加歴や勝率、ドリフェス見学履歴を成績に反映するようになったからだ。

ドリフェスにも種類があり、規模に応じて「S1」「S2」「A1」「B1」にランクがある。
「S1」は年3回季節ごとに行われる最も大きなドリフェスで、学院内ほぼ全てのユニットが参加し、外部からも観客を呼ぶ。
「S2」が生徒会公認のドリフェスで、観客は主にアイドル科以外の校内。
「A1」は春に行われるドリフェスで新入生がメインとなる。
「B1」が生徒会の許可が無い非公式のドリフェスで、非公式ゆえにオリジナルの変わったルールが作られることが多いものだ。

このように大きくライブ制度が変わり、実力のないものは学院から去り、流れについていけないものは衰退することが多くなった。
バックギャモンも大きく変わった。
9月にはリーダーがレオに変わり、リーダー権限で名前をチェスに戻したのだ。
しかしライブを行う小集団のユニット制度の導入により、チェスは空中分解状態になった。
ユニットは大集団でも結成できるが、報酬はユニット単位であるため、大人数にするメリットがないため、実質小集団化したのだ。
色々と学院の流れが変わり、サポート科も業務が沢山降りかかったため、一学期のように1つのユニットに割く時間が大幅に減った。
そのため、奏は時間を作って泉とレオに会いに行った時に、「ユニット名はKnightsになったから」と事後報告を受けたのであった。

Knightsになってからは、元チェスのメンバーともライブ対決をすることが多くなった。
レオは天才で、泉もそんなレオと一緒に舞台に立ち、快進撃を繰り返した。
奏も置いていかれないようにと走り回ったが、体力の差だろうか、短期間に数回は疲弊して倒れるようになった。
それでも何度も立ち上がり、Knightsに置いていかれないよう、再び走り回ることを繰り返した。

チェックメイトという大事なライブが控えている1週間切った頃に、泉が凛月を勧誘しに来た時は驚いた。
そして、いつだったかの借りもあるし、奏もいるならいいよと了承した凛月にも驚かされた。

チェックメイトのライブ当日のリハ中に遅れきたレオにより対決相手は来ない事をKnightsは聞かされていた。
詳しいことはレオや泉達が話し合っていたが、奏は開演の準備で話を聞くことは出来なかった。
そしてライブが開演した頃には、ライブ対決ではなくKnights単独のライブになっていたのに奏は驚いた。
元より今日のライブは客席から見ててと言われていたため、奏は観客としてやってきた幼馴染の衣更真緒の隣にいた。

『なん…で…』
「どうかしたのか?」
『今日、本当は元チェスの人とライブ対決だったのに…』
「そうなのか。雰囲気そんな感じじゃないよな。俺は凛月がユニットでライブするから見に来たんだけど」
『…うん、りっちゃん借りを返すとか言ってたけど、ちゃんと練習して頑張ったんだよ』
「へぇ、凛月がねぇ。俺も頑張らないとだな」
『あ、りっちゃんこっち見て笑った』
「おいおい、凛月のやつちゃんと集中しろよ」
『その割に嬉しそうだね、まーくん』

この日のライブはKnightsの中でも群抜いて華々しいステージとなった。

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