04

「萩原…?」
「じゃあこれも、俺のせいってこと?」
 そう言うと、萩原は俺の股間にそっと手を置く。
「おい!どこ触って…!」
「俺が傍にいるだけで、こんな風になっちゃうんだ」
「うるさい…!手どけろよ!」
 萩原はにやにやしながら、ズボンの上から、浅井の股間をゆるゆると刺激する。
「…っ、やめろ、って…!萩原…っ、どういうつもりだよッ…」
 面白がって触られるなんて、冗談じゃない。完全に萩原におもちゃにされている。
「これは?」
 萩原はそう呟くと、浅井の顔を胸に抱きよせた。顔を埋めたシャツから少し汗の混じった萩原の香りが強く香る。すると、まるで催淫効果のあるムスクを嗅いだかのように、浅井のモノが一段と嵩を増す。
「…っ!…いやだ、萩原っ…」
 浅井は萩原の胸から抜け出そうともがくが、萩原はそれを許さない。
「浅井…」
 熱のこもった声で呟いた萩原は、浅井のベルトを外し、あろうことかパンツの中に手を滑り込ませる。
「ひぁ…っ、萩原、やめ…っ!」
 直接的な刺激に浅井のモノは膨らみを増していく。腰に溜まった熱が、出ていく先を求めている。
「もしかして、人に触られるのって、初めて?」
 萩原の言葉で、羞恥に顔がかっと赤くなる。もちろん人に触られたのは初めてだ。自分でするのとは違い、どんな刺激が来るのか分からない。浅井は萩原の手淫に翻弄される。
 押しのけるつもりだったのに、浅井はいつの間にか萩原にしがみつくように、萩原のシャツを両手で握りしめてしまっている。
「気持ちいい…?」
「萩原っ、いく、いくから…、手、離して…ッ」
 萩原は浅井の言葉を飲み込むように、躊躇うことなく浅井に口づけた。驚く浅井に有無を言わさず、舌を挿し入れる。下半身をしごかれ、舌で口内を蹂躙されているこの状況は、経験のない浅井には、完全にキャパオーバーだ。
「…ぅん…っ、…や、―――あぁッ…!」
 とうとう浅井のモノは破裂し、白濁が制服にぱたぱたと飛び散る。
 肩で息をする浅井に、萩原はお構いなしにキスを続ける。シャツの裾から、萩原の手が入り込み、浅井の脇腹を撫でる。
「やめろよ…」
 すすり泣きながら、浅井が弱弱しい声で抗議する。萩原の手が止まり、顔を離した。
「何でこんなことするんだよ。どうせ俺のこと面白がってるだけだろ。萩原にとったら、こんなことは取るに足らないことかもしれないけど、俺は冗談でもされたくない。今まで通り萩原に近づかないようにするから、放っといてくれよ」
「それは出来ない。俺、お前のこと気に入っちゃったから」
 そう言って、萩原は爽やかに微笑む。女子が騒ぐ萩原の微笑みは、浅井にとっては悪魔の微笑みのように思えた。


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-彼の衝動-