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「おす」
「よす」
毎日同じことの繰り返し。でも私は結構、これが心地いい。気がしてる。
私だけかな。とか思いつつ、一緒に登校してもらうのが嬉しい自分がいる。ただの幼馴染に。
弁解をしておくと、そりゃ、お年頃だもん。幼馴染でも一緒に居たらどきどきする。
一応、まあ、付き合ってはいないんだけど。
「あーしくった。今日数学あるか?」
「は?まああるよね…?」
「教科書貸してくれよ」
「やだわ!同じクラスだろうが!」
長太郎に借りるか本気で迷ってるこいつ、本気で馬鹿なんじゃないかと思う。
「学年違うしやめてやんな」
「#名前#が貸さねーからだろ」
「隣に見せてもらいなよ」
自分で言っておいてちょっとちくんっていうか、もんやり。
ぶっちゃけあんまり嬉しくないんだぜ。という心の独り言。
とそこで亮が立ち止った。
「お前さ、俺が隣の女子と教科書見てるのやなんだろ?」
「え」
「次の日とか帰った後とか機嫌悪いの知ってんだぜ?そういうのあんましたくねーからよ」
「え」
「え、じゃなくて。だから馬鹿みてえだけど教科書貸せっつってんの。」
いやお前、とかあわわ、てかもうほんと
「お前まじ突然デレんな!!ばーか!長太郎に教科書借りるとかばーか!」
「流石に借りれねーよなーどうしたもんかなー」
「棒読みくそ腹立つ。」
さわやかに笑いやがって。にやつくんだよ馬鹿。
ああもう、ほんとにこのとんちんかん。
たまにどきどきする。
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