我が麗しの金糸雀

巻き毛金糸雀が死んでいた。
昨日の夜、おやすみを言うまでは確かに生きていたのに、——茫然と鳥籠の中を眺める。可愛い金糸雀だった。美しい声でさえずり、私の仄暗い日常を照らす一筋の光だった。
何がいけなかったのかしら、もしかして病だったのかしら。あんなにいろいろ調べたのに、私は何かまずいことをしでかしてしまったのかしらと彼の亡骸を医師に見せると、彼は静かに首を振って、私の失敗でも病でも無いと告げた。
そうですかと頷いて、屋敷の庭に彼を埋めた。小石を墓標代わりに置いて手を合わせる。
金糸雀の他にも、十姉妹や鸚鵡や、猫なんかの墓がずらりと並ぶ庭に、熱くなった目頭を押さえる。みんなとても可愛い子たちだった。私の良き友人であり、生活の希望だった。間違いのないように、慎重に、大切に、優しく飼っていたのに、皆長くは生きられなかった。
「殺したいほど可愛かったのに」
誰に言うでもなくそんな言葉が漏れた。