「鍋の季節、終わっちゃったね…」

「結局、おトメさんの鍋、食べれなかったな…」

「…悪かったって言ってるだろ」

「留さんはさ、もう、僕たちに構ってる暇ないんだよ…」

「新婚さんだからね…仕方ないよ…」

「…お前らなぁ、」



お花見も、誰かさんの不運なのか偶々なのか、雨続きで出来なかったし、三人で集まることが減ってしまったのは事実だけど。

勿論、私も伊作も、本気で責めている訳じゃない。

寂しいなぁとは、少し、思うけど。



「もうすぐ夏だよ!?留さん、ビアガーデンの季節だよ!?」

「あー…行ける時は、な」

「私、パス」

「えぇッ!?裏切り!?」

「そういう飲み方するとさ、次の日に残るんだよねぇ…」

「ヤダ〜なまえったら老け込んじゃって」

「だからパス」

「えぇー!?なまえまで遊んでくんないの!?」

「伊作、お前もそろそろ落ち着けよ」

「んー…出来たら良いんだけどね〜」

「あ、おトメさん、今度料理教えてよ」

「良いけど、なまえ、苦手じゃないだろ?」

「食べてくれる人がいると、欲が出るって言うか」

「それ、分かる。良いぜ、伊作ん家集合な」

「やっぱそうなるー?ちゃんと片付けといてよ、伊作」

「も〜二人とも僕のこと好きなんだから〜」

「はいはい、好き好き」

「ちょっ、おざなりすぎない!?」



こんなやりとりが、何だか懐かしくて。
大学時代は、しょっちゅう三人で馬鹿やってたから。

やっぱり、落ち着く。



「そういやさ、なまえ、同棲しないの?」

「んー、左近くんが卒業するまではね。なあなあになるのも嫌だし」

「良いんじゃないか。ケジメはつけてる方が、後々楽だろうし」

「おトメさんも長かったのに、しなかったじゃん?だから、その方が良いかなーと思って」

「なまえのおトメさんへの信頼って厚いよね〜」

「そりゃあ誰かさんと違って重みが、ね」

「あんまり言ってやるなよ」

「二人とも酷くない!?」



あれから、そう大きく変わった訳じゃない。

会う頻度も、場所も、時間帯も。

隠し事はなし、なんて言うつもりないし、無理に隠す必要もないと思うし。

ただ、焦らなくなった。

それだけで、ぐっと楽になったから。

少しずつだけど、お互いに知らなかったことを知ると、安心するってことも分かった。

偶に、怖くもなるけど…、まぁ、何とかなってる。

そういう時は、なるべく話すようにしてるからかな。

漠然としている時は、おトメさんの言葉がよく沁みるし、
あんまり考えたくない時は、伊作の明るさと言うか軽さと言うか…、それが、掬い上げてくれる。

なかなか良い安配だと思う。



「…っと、そろそろ、」

「えー、もう帰っちゃうの?」

「あ、私も出るわ」

「二人とも、ホント付き合い悪くなったよねー…」

「自分のことだけじゃなくなって来たからな。お前もじきにそうなるだろ」

「伊作、アンタもいい加減腹決めたら?」

「んー…その内ね〜」





気のない返事で、今日はお開き。

明日も仕事だし、無理すると体に出るようになってしまったから、きちんとコントロールしないと。

おトメさんの言うように、自分のことだけ考えてちゃ、やっていけない歳になってきた。

齢を重ねていけば、役割が増えていく。

仕事でも、家庭でも。

私は、良い意味で、って捉えてるから、嫌じゃないけど、簡単では、ないかな。

それでも良いって思えるのは、きっと、



「…、」



From 川西左近
Sub お疲れさまです。

来週の水曜日、空いてますか?
休講になったので、良かったら一緒に出掛けませんか?





私の癒しは、日に日に威力を増していくようです。





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H26.6.8

お付き合い、ありがとうございました◎
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