どうしてなのか、自分でも分からない。
確かに、初めは、あの人を忘れられれば良いな、ぐらいに思ってたよ。
でも、そんなこと忘れちゃうくらい、君のこと、ちゃんと、君のこと、好きになったんだ。

だから、こんな日が僕らに訪れるなんて、思ってもみなかった。



「…好き、なんでしょ?」


「…うん」


「タカ丸にとって、大事なんだよね」


「…うん」



語りかけるように、僕へと届く声は、酷く優しくて、元々緩く出来ている涙腺は、あっけなく崩壊した。
君の顔もロクに見れずに俯いていると、
どうしてだろう。
こんな僕にも、君は、やさしい。
少し冷えた手が、僕の頬を包んだ。



「タカ丸」



いつもはあまり笑ってくれない君が、穏やかに微笑んでる。
指先が、少し震えているのを感じて、一層涙が溢れ出した。



「なまえちゃん、」


「うん」


「…ごめん」



最低だと思う。
好きだと言ったのは僕から。
会いたいと思えば、君の都合も考えずに会いに行くし、家にだってよく呼び出した。
忙しい君は、文句を言いながらちゃんと付き合ってくれてた。
僕が好きかと問えば、小さく好きと返してくれる、照れた横顔が好きだった。
…、今でも。



「…うん。分かった」



君の手のぬくもりが離れていく。
手放したのは僕なのに、その手を引き留めたくて仕方ない心を必死に抑えた。

いかないで、
いかないで。

勝手な僕を、なじってくれても良いのに。
どうしてだろう。

君は、僕が今まで見た誰よりも、君よりも、
優しい顔で笑っていた。


ねぇ、それは、きっと





Because I love you





***
H23.3.29

シュガー&ビターハニーの二人。

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