(絶望の微笑みを)
「カテリーナは?」「は、」
突然振られた話に、カテリーナはビタリと動きを止めた。
「キョーダイ。ハナダには姉がいるんだ」
「そうなんですか…」
向けられた目は、4つ。我が王、ギュンター様と、その友である縹様だ。
確かに先ほどまで、縹様の姉の話に興じていたはずだが…。
「えぇと、そうですね。妹が、いました」
「…あぁ、そうか」
何かに納得したように、すまなさそうに目を細められたので、カテリーナは慌てて手を振った。
「あ、いえ!両親は…すでに故人ですが、妹は、…わからなくて」
「ふん?」
「置いてきたんです。もしもの時、妹に追手がかからないように。
…でも、ひどい環境へ置いてきました。今も、生きているかは…」
「名前は?」
「ヴィルジニア、といいます」
「…あぁ、名前の意味、一緒にしてるんだ」
「!よくお分かりになられましたね。さすがギュンター様」
父と母が頭を悩ませて…といったところで、チリッと憎しみの炎が、脳裏を焼いた。
「……、こんな名前をしていても、くすくす…。…救われはしませんでしたが」
それでも良いのです。こんな素敵な王に会えたのだから。
絶望の微笑みを
(かつては彼女も、純粋な近衛兵だったんだろうな。ハナダ)
(そうですね)
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